鎌倉淳ブログ

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2011 01/22

マレー鉄道・西海岸線 その2(2010年マレー半島鉄道旅行記6)

バタワース-シンガポール 783.50km

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マラッカ見物を終え、タンピン駅に戻ってシンガポールに向かう。

タンピンからシンガポール方面の列車は1日3本しかなく、そのうちの1本は深夜に発着する夜行列車で、日中は2本だけである。午前中が11時16分発で、午後が16時16分発だ。マラッカを半日観光した後では、16時16分発まで待たねばならない。これは、昨日乗ったエクスプレス・ラキヤットである。

15時頃までマラッカ市内で時間を潰し、タクシーでタンピンに出る。今度は50リンギット(約1400円)であった。16時前には駅に着いたが、例によって列車は遅れており、到着したのは16時40分頃である。

今日は2等車に乗る。1等車が満席だったからだが、1等は昨日乗ったので、2等に乗ることじたいはよい。乗ってみると混んでいて、あらかた席は埋まっている。

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2等車は座席の転換ができず、半分の席は進行方向と反対側に向いている。指定された僕の席は、その進行方向反対側の通路側だった。これは乗っていてつまらない。ただの移動になってしまう。17時を過ぎると日は陰り始め、外は薄暗くなってきた。車窓も見えないから、退屈である。

バトゥエナムという駅で20分くらい停車する。時刻表には書かれてないので、交換のための運転停車である。

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マレー鉄道は閉塞区間が長い。車窓で見ている限り、平均して特急で20分くらい走らないと一閉塞区間を走りきれない感じがする。そのため、こういう長時間の運転停車が起きてしまう。正常ダイヤで運行されているときは、交換時間が短くなっていると思われるが、昨日から定時で運転していることなど一度もない。ランダムで走っているようなものなので、閉塞区間が長いぶんだけ交換待ちが長くなる。

交換そのものにも時間がかかる。マレーシアでは、基本的にホームは1面しかない。そのため、ホームで客扱いをしながらの交換ができない。そこで、先に着いた列車がホームで客扱いし、いったん本線を下がり分岐器を通って側線に入り、対向列車を待つ。対向列車が来たら、その発車後、先に着いた列車が発車する。このため、交換には最低でも5分以上かかる。先に着いた列車が後から発車するのは、信号方式にタブレットを利用しているからのようだ。

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1時間ほど遅れて、ようやくジョホールバルに到着する。マレーシア南部の大都市で、マレーシア領内最後の駅である。

ここは他の駅と違っている。新駅が完成したばかりのようで、かさ上げされた高いホームが3面も並んでいる。ホームにはエスカレーターがあり、橋上駅舎へと続いている。つくばエクスプレスのような現代的な駅であった。

ジョホールバルで、客の大半が半分以上が降りた。イミグレーションの女性係員が乗車してきて、残った客のパスポートチェックを始める。チェックは簡単である。係官は僕のパスポートを5秒くらい眺めた後、昨日押された入国印のあるページにサインして、パスポートを返してくれた。

15分ほど停車して、21時05分発車。列車は徐行しながら、シンガポールへと繋がる国境橋を渡り始めた。並行して道路があるが、ジョホールバル方面へはテールランプが連なる大渋滞である。マレーシアからシンガポールへの通勤者の帰宅ラッシュのようだ。

10分ほどで、ウッドランズ着。

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ここからシンガポール領で、イミグレーションがある。1面だけのホームは広く、駅舎がイミグレーション施設になっている。がらんとしているが、これまでのどの駅よりも清潔で、先進国の雰囲気がする。ほとんどの乗客は国境審査が終わると出口に向かっていった。近くにはMRTの駅があるので、終点のシンガポール駅よりも、ここで降りたほうが便利なのかも知れない。

20分もかからずに、乗客全員の国境審査が終わる。再び列車に乗ったのは、ごくわずかであった。がらがらの列車は、すぐに発車し、ゆっくりゆっくりとシンガポール市内を進んでいく。タイでもマレーシアでも、夜の車窓は真っ暗だったが、ここは違った。高層マンションが林立し、どの部屋からも灯りが漏れている。ここまで見たことのない先進国の風景がそこにあった。

シンガポールは小さい国だから、すぐに終点に着くだろう、と思っていたが、そうでもない。線形も線路状態も悪いようで、列車は時速50キロくらいでゆっくりと進み、車体を大きく揺らせながら小さなカーブを進んでいく。速度が落ち、列車が停止したのは22時13分。約1時間の遅れで、終点シンガポール到着である。

櫛形の頭端式ホームの行き止まりに石造の堂々たる駅舎がある。列車から降りたわずかな乗客が、ぱらぱらとそのなかに吸い込まれていった。

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シンガポール駅は、古式ゆかしいヨーロッパスタイルの駅舎であった。

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駅の建物はそれほど大きくはないが、天井の高いホールがあり、白壁の上部には、教会のようなモザイク画がはめ込まれている。かつて、ここは英領植民地の一大拠点の玄関口だった。いま、鉄道を使ってシンガポールに入る旅客の数はほとんどいなくなったが、かつての面影は十分残されている。

マレー半島モンスーン・エクスプレス

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