鎌倉淳ブログ

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2011 04/09

「風評被害」をなくすために放射線量の明示を

テレビを見ていると、「風評被害」という言葉が多くてうんざりする。

規制値以下の農産物は、流通していいものなのだから、それが売れないのは、生産者からすれば「風評被害」なのだろう。

ただ、消費者の視点に立てば違う。そのひとつの野菜は規制値以下のものであっても、私たちはたくさんのものを毎日食べなければならない。さまざまなものを食べて、息を吸い、大気を浴びて、それでも規制値以下の放射線被曝量にしたいと考える。原発問題が長期化するのがわかってきた以上、これは、ごく自然な発想だ。

スーパーで食品が売られているときに、それがどの程度の放射線量を含むのかは明示されていない。何の情報提供もなしに「風評にすぎません」と言われても説得力はない。これでは、生産者も消費者も不幸である。

もし、その食品の放射線量がわかれば、消費者は自分の被曝量をコントロールすることができる。たいした被曝じゃないとわかれば、気にせずに食べるだろう。要するに「風評被害」をさけ、消費者も安心するためには、販売される食品の放射線量を明示するしかないと思う。

残酷なことだけれど、福島原発周辺の土地が放射能によって汚染されてしまったことは、隠しようのない事実である。私たちはその事実を気にしないわけにはいかない。

メディアは消費者の側だけに立つことはできない。それも理解できる。だから生産者の切実な状況を報道するのはいい。ただ、生産者だけでなく、消費者の心情も率直に伝えてほしい。

おそらく、多くのリポーターも記者も、同じことを思っているはずである。自分が思っていることを伝えずに建前だけを述べているのだとすれば、それはジャーナリストではない。

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