鎌倉淳ブログ

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2011 12/08

ブラタモリ「地下鉄」 の元ネタと、「もう一つの隠された駅」

ブラタモリ第5回 「地下鉄をブラタモリ」前編は銀座線を中心としたロケで、なかなかおもしろかった。

ブラタモリ地下鉄
(写真はNHKホームページより)

番組のサブタイトルは"地下鉄誕生のヒミツ!"。日本最初の地下鉄である東京メトロ銀座線について、上野車両基地、万世橋仮駅、旧東京高速鉄道新橋駅を紹介していた。

いずれも地下鉄についてある程度知っている人なら「お約束」のポイントなので、内容自体は新鮮というほどではない。ただ、映像はとても貴重なものが含まれていた。

上野車両基地から本線に至る区間の先頭車両からの景色など一般人には見ることができないし、万世橋仮駅もまず入れない。旧新橋駅は限定公開されたことはあるが、やはりなかなか入れないことには変わりない。テレビで何度か紹介されたことはあるが、今回ほど長い尺でのオンエアは初めてだろう。こういう場所をきちんと交渉して取材するNHKのスタッフには、頭が下がる。

ただ、一つ注文を付けるとすれば、銀座線を紹介するのなら、あと一つ、旧神宮前駅ホームも紹介してほしかった。

半蔵門線ができるときに銀座線の神宮前駅はわずかに青山一丁目方向に移転して表参道駅となり、半蔵門線と共用ホームを建設した。その際に旧神宮前駅のホームは放棄されてしまったのだが、その映像を見てみたかった。僕の知る限り、旧神宮前駅のホームや駅施設がテレビに出たことはないし、この旧ホームの存在は、新橋駅や万世橋駅よりも知られてない。

旧神宮前駅は、気を付けて見ていれば銀座線の車窓から見える。が、走る列車の窓から見られるのは限定的だ。

ところで、日本最初の地下鉄建設にまつわる話は、当時の工事記録である「東京地下鉄道史」(1934)に詳しく書かれていて、今回もそれが元ネタのようである。「東京地下鉄道史」は書店では手に入らないから、一般書としては「地下鉄の科学」に、コンパクトにまとめられている。同書によれば、最初の地下鉄工事を請け負ったのは大倉土木で、現在の大成建設の前身ということだ。掘った土は、隅田川までトロッコで運ばれた。番組では「手掘り」とされていたが、実際は一部機械化されていて、杭打ち機などが使われていたという。

そのほか、東京の地下鉄関連では、「東京メトロをゆく」というムックが圧倒的に興味深い。過去の歴史はもとより、現在の東京メトロの仕事の裏側まで「よく取材したな」という記事が満載なので、これは間違いなくおすすめする。


(以下、番組案内)


ブラタモリ 第3シリーズ 
第5回 地下鉄をブラタモリ 前編"地下鉄誕生のヒミツ!"
http://www.nhk.or.jp/buratamori/

都会の大動脈「地下鉄」。今回は、普段は決して入れない地下鉄の 舞台裏を徹底特集!
2週に渡って、知られざる地下鉄の全貌に迫る「地下鉄スペシャル」 です。

前編は、上野―浅草間に開通した日本初の地下鉄銀座線に残る時代の痕跡を探し歩きます。
開通して84年の銀座線には、開通当時の建物が、いまも現役で使われている事をご存知ですか?
初めての地下鉄工事は、道路を手で掘り起こし、川の水と闘う難工事、その困難を乗り越え、頑丈な建物をいまに残した先人たちの技と情熱に、タモリさんも大感激!
地下世界を探検散歩し、日本初の地下鉄誕生の秘密に迫ります。

番組では、さらに、これまでめったに人目に触れたことのない、銀座線のまぼろしの駅にも特別に潜入!
その駅は、ネオンきらめく秋葉原の電気街の地下に今もひっそりと残されていました。
わずか2年しか使われなかったまぼろしの駅は、なぜその場所に作られ、今も残されているのか?
都心にひっそりと残された銀座線の遺構から、日本人と地下鉄の関係を紐解くスペシャル企画です。お楽しみに!

地下鉄の科学
東京メトロをゆく

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