鎌倉淳ブログ

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2013 06/20

江差線の「最後の初夏」を乗りに行く(北海道新幹線開業で消えそうな列車と駅へその5)

北海道新幹線開業に絡んで、廃止が正式発表されたのは江差線の木古内~江差間です。この区間は、北海道新幹線開業と直接関係ありませんが、並行在来線である江差線の五稜郭~江差間が第三セクター化されることと関係します。すなわち、五稜郭~江差間がJRでなくなると、木古内~江差間が孤立したJR路線になってしまい経営的にムダが多くなるうえに、同区間の近年の利用者が著しく少ないこともあり、廃止が決まりました。

JR北海道によると、木古内~江差間の1日の輸送密度は2011年度で41人(1日1キロあたり)。国鉄時代の第一次特定地方交通線の廃止基準が2000人でしたので、その50分の1にすぎません。ちなみに、木古内~江差間だけに限れば、1987年度ですら輸送密度は253人だったそうで、路線区分がこの区間だけ独立していれば、1980年代に廃止されていたでしょう。江差線がこれまで存続してきたのは、輸送量の多い五稜郭~木古内間と「同一路線名」だったことに理由があり、路線区分の幸運に救われてきたにすぎません。それもあり、今回の廃止に対して反対する声はほとんど聞かれませんでした。

廃止は2014年5月12日。となると、季節のいい初夏の江差線は、今年が最後です。

竜飛海底駅から函館に至り一泊し、翌朝午前10次27分発の江差行きに乗ります。発車30分以上前に改札が始まっていて、列車も入線していました。キハ40の単行で、車番はキハ40734です。1980年の製造です。

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発車時刻が近づくにつれて乗客が増えてきましたが、まだ鉄道ファンはそれほど多くありません。青春18きっぷのシーズンになると激増しそうですが、それ以外は週末でも「鉄道ファン率」は高くないのかもしれません。

定刻に函館発車。近郊の駅に一つ一つ止まり、乗客の乗り降りもあります。このあたりは、近郊列車として機能しているようです。

交換の都合でやや遅れて木古内着。すでに新幹線の駅が建設中です。木古内には悪いですが、こんな小さな町に新幹線駅ができるのは、ちょっと不思議な感覚です。

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下り「スーパー白鳥11号」の遅延の接続を待って、5分ほど遅れて木古内を出ました。いよいよ、廃止予定区間に入ります。最初は田園風景が続き、やがてモーター音を大きくしての峠越え。北海道の古きローカル線の趣きを感じさせてくれる、素晴らしい路線です。

峠を越えると、天ノ川という美しい川に沿って、軽やかに下っていきます。

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そして、湯ノ岱という小さな温泉地に到着します。降りてみたいですが、ここで降りると今日中に東京に帰るのが難しくなるのでお預けです。

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日本海を左に見て、やがて市街地に突き刺さるように入っていくと、終点江差駅に到着です。

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江差線は1日6往復。それだけしかないというのに、駅前の駐車場は満車状態で、タクシーも客待ちをしています。

現在の駅舎は、1975年に改築されたものだそう。鉄道が斜陽にさしかかっていた時期ですが、まだ全盛期の余韻も残っていて、江差駅にも急行列車が発着していました。江差駅は、往時の面影を残すゆったりした作りです。

昭和の鉄道全盛期の面影を残す駅舎は、貴重な存在になりつつあります。鉄道廃止後も、ぜひ保存してほしいものです。

折り返し列車で戻ったので、江差駅には10分ほどの滞在。次はもう少しゆったりしたいな、と思いますが、「次」が果たしてあるのでしょうか。

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