• 『北朝鮮と観光』 礒﨑敦仁【ブックレビュー】
    私が北朝鮮に観光旅行で行ったのは、1995年4月のこと。「平和のためのピョンヤン国際スポーツ及び文化祭典」という国家的イベントが開かれ、北朝鮮が外国人観光客の受け入れを拡大したときです。私が参加したツアーは5日間17万円程度で、当時としては破格に安かったと記憶しています。本書『北朝鮮と観光』によれば、北朝鮮が日本人の観光客を受け入れたのは1987年から。その後、日本人の北朝鮮観光のブームは3回ありました。受け... 続きを読む
  • 「東南アジア全鉄道制覇の旅 タイ・ミャンマー迷走編」下川裕治【ブックレビュー】
    下川裕治さんは、とりたてて鉄道ファンではないようですが、最近、海外の鉄道旅の本をいくつか出されています。気になっていたので、そのうちの一冊を読んでみました。『東南アジア全鉄道制覇の旅』(全2タイトル)の前編にあたる『タイ・ミャンマー迷走編』です。鉄道完乗本といえば、宮脇俊三の『時刻表2万キロ』が輝きます。それと比較すると、宮脇氏が鉄道ファンを自認しての完乗を目指したのに対し、鉄道にそれほど興味のない... 続きを読む
  • 「硫黄島」石原 俊著【ブックレビュー】
    旅をして沖縄で米軍基地を見たり、北海道から国後島を眺めたりすると、先の大戦がいかに愚かで、その爪跡がいかに深く、その傷はまだ癒えてないことを、私たちは知ることができる。それらは見える傷だけれど、目に見えていない傷も、きっと多い。硫黄島の扱いも、その一つだろう。私たち民間人は硫黄島を訪れることができないから、そもそも硫黄島の深い傷に接することすらできない。硫黄島の島民は、戦時中に国の命令で強制疎開さ... 続きを読む
  • 「憲法問答」橋下徹・木村草太【ブックレビュー】
    法律には手続法と実体法があり、勉強して面白いのは実体法です。手続法は、正直なところ、つまらない。六法でいえば、民訴法と刑訴法が手続法です。これらは民法や刑法より、勉強していてつまらない。というより、民法や刑法に付随するものだと考えている人も少なくないでしょう。大学の授業でも、手続法は実体法に較べて人気がなかった気がします。そして、法律家や公務員になる人以外は、手続法よりも実体法が大事なのは事実です... 続きを読む
  • 「承久の乱」(本郷和人・文春新書)レビュー
    私は大学受験を日本史で受けましたが、保元・平治の乱から承久の乱に至る70年間は苦手でした。歴史の流れを掴むのが難しかったからだと思います。『平家物語』も読んでみましたが、似たような名前の登場人物が現れては死んでいき、どうも頭に入りません。よくわからないまま、年号と人物を丸暗記して受験を終えると、もう源平合戦も鎌倉幕府の成立も、過去の話となりました。いやもちろん、過去の話なんですが。戦乱の時代の歴史は... 続きを読む
  • 【レビュー】東京近郊スペクタクルさんぽ 宮田珠己著
    昔から思っていたことだけれど、宮田珠己は、旅のテーマを見つける天才だと思う。「東京近郊スペクタクルさんぽ」(新潮社)を読んでみたが、やっぱり改めてそう思う。本書に出てくる旅のテーマは、ダムだったり、彫刻だったり、素掘りトンネルだったり、工場だったりする。観光地とは少し違うけれど、観光的にスポットがあたってもおかしくない場所だ。いわば、ポテンシャルはあるものの、観光的には未発掘な場所を探し出し、宮田... 続きを読む
  • 吉川『三国志』を再読して発見したこと
    吉川英治の『三国志』に熱中した方は多いだろう。かくいう自分も、中学時代にのめりこんだ。父にせがんで、全八巻を買って貰ったのを、いまも覚えている。当時は、それこそ、本が破れそうなくらい再読した。高校時代まで、何度も読んだと思う。全編を読み通すこともあったし、気に入った部分を何度も読んだこともあった。当時のお気に入りは、赤壁の後、劉備が荊州を取って以降、孔明が五丈原で死ぬまである。劉備が亡くなる部分は... 続きを読む
  • 私なりに絶景 ニッポンわがまま観光記【ブックレビュー】
    同じような旅を続けていると飽きてくる。たとえば、青春18きっぷの旅は楽しいけれど、いつもひたすら普通列車でJR線を乗り続けていたら、いつかうんざりしてくるだろう。山登りだって、同じような山を登っていたら飽きてくる。低山ばかり登っていたら高山に登りたくなるし、冬山や岩登りにも興味が沸くだろう。旅は楽しいけれど、同じような旅はいつまでも続かない。どこかで方向性を少し変えて、自分の旅に新たな視点を持ち込まな... 続きを読む
  • 宮脇俊三「インド鉄道紀行」再読
    近年の鉄道書ブームで、宮脇俊三の名著はだいたい復刊しました。ただ、復刊してないものもあります。そのひとつが、「インド鉄道紀行」でしょう。上の写真は文庫ですが、今回、手に入れたのはハードカバーの初版本です。奥付を見たら、発行は平成2年。西暦なら1990年ですから、バブルのピークです。取材は1988年から89年にかけてです。インドが「BRICS」などと称される以前の時代で、「印度放浪」の残り香も漂う頃です... 続きを読む
  • だいたい四国八十八カ所 レビュー
    だいたい四国八十八ヶ所 宮田 珠己(本の雑誌社)宮田珠己氏は、いつも新しい旅を教えてくれる。「東南アジア四次元日記」では、考えたこともなかったような東南アジアの仏像や公園巡りを教えてくれたし、「晴れた日は巨大仏を見に」は、日本の「未来の名所」を紹介してくれた。もともと、旅行者が心の奥底で密かに思う心象をユーモアを込めて表現するのが上手な書き手である。デビュー作「旅の理不尽」は、いまも歴史に残る名紀... 続きを読む

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かまくら・じゅん
旅人。旅行総合研究所タビリス代表。日本と世界の世界遺産、鉄道、島などを取材中。→詳しいプロフィール

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