リゾナーレ八ヶ岳に泊まった感想をまとめてみましょう。
まず、建物。バブル期に建設されたリゾート施設で、イタリア人建築家、マリオ・ベリーニの設計です。山梨県にあるのにヨーロッパ的で、「旅行をしている感」が手軽に味わえるという意味で素敵です。

ただ、もともと会員制リゾートを前提とした建物をファミリー向けに活用しているので、使い勝手が悪い点もあります。
エレベーターの数が少なく、ベビーカーで移動するときにやや不便ですし、階段の手すりは幼児なら転落しかねない隙間があり、ちょっとキケンです。幼児向けの手すりもありませんし、「全面的に乳幼児でも安全な施設!」というわけではありません。

客室内も、バブル期の雰囲気そのままで、バスタブとシャワー室が離れているなど、「なぜこんな作りなの?」と思わなくもありません。
客室内の清掃は普通にしてありますが、行き届いている、というほどでもありません。ユニットバスのシャワーカーテンから、生臭い臭いがしたのも、幼児連れには気になりました。
優れているのは、ソフト面です。乳幼児連れが旅行中に必要なものを最低限備えた客室設備は、やっぱり便利。
電子レンジがないのは残念ですが、調乳ポットや子ども用ボディーソープ、ベビーガード、おむつゴミ箱といったグッズがあるだけで、旅行がとてもラクになります。

リゾナーレで最も特徴的なのは、客層でしょう。乳幼児連れのファミリーが主客層なので、ベビーカーで散歩しても、レストランに行っても、気兼ねなくくつろげる、という点が、子連れには身にしみてありがたいことでした。
反面、シニアの旅行や、大人だけの滞在先には向きませんし、子連れでも小学生以上なら、ここにこだわる必要もないでしょう。
宿泊費が高く、割引プランなども少ないのが残念ですし、コスパがいいともいえません。ただ、少子化社会で、「子連れは迷惑」なんて論調まで幅をきかせていくなか、こうした施設の存在は貴重ですし、これからもっと増えて欲しいものです。
もうちょっとだけつづきます。