ホームページビルダーでは「href="//」という記述があると、自動的に「href="http://」になってしまいます。プロトコル「http:」が自動挿入されてしまうのです。いわば「相対パス」を「絶対パス」に書き換えてしまうわけです。
これはホームページビルダーの仕様ですが、正直困りものです。解決方法はあることはありますが、簡単ではありません。

なぜ「http:」が挿入されると困るのか
これを、「勝手にhttp絶対パス化」と呼びましょうか。
その対処法を説明する前に、なぜ「http:」が挿入されると困るかを書いておきます。
いま、世の中はサイトの常時SSL化が進められています。サイトを常時SSL化するということは、アドレスを「http」から「https」に変更することを意味します。
困ったことに、自分のサイトだけ「https」にすれば良いのではなく、リンク先も「https」にしなければなりません。そうしないと、自分のサイトが「危険なサイト」扱いされて、ブラウザに表示されなくなる場合があるからです。
しかし、世の中のウェブサイトが全て「https」になっているわけではありません。とくに、アフィリエイトのリンク先は「https」や「http」が混在しています。
そのため、最近のアフィリエイトソースは、プロトコルが省略して記述されています。
たとえばグーグルアドセンスの場合、以下のような記述になっています。
script async src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"
このとき、ホームページビルダーは、「"//pagead2」の部分に勝手に「http:」を足してしまうわけです。「"http://pagead2」になります。
script async src="http://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"
こうなると、せっかくサイトをhttps化しても、常時SSL化が達成されないだけでなく、ブラウザによっては「SSLと非SSLが混在している危険なページ」と認識されて、サイトそのものが表示されなくなってしまいます。恐ろしい。
HPBで「http:」が勝手に挿入されない方法
これはかなり大きな問題なので、「"//」の前に、「http:」が勝手に挿入されない方法を探さなければなりません。が、ホームページビルダーの「オプション」などを探しても、その方法は見つかりません。
サポートに問い合わせてみると、以下のような方法があるとの回答でした。
1. レジストリエディターを開く
Windows 7 の場合
a.[スタート] ボタンをクリックし、[検索の開始] ボックスに、「ファイル名を指定して実行」と入力。検索結果で [ファイル名を指定して実行] をクリック。
b.「regedit」と入力し、[OK] をクリック。
Windows 10 の場合
a. 画面の左下[ここに入力して検索]ボックスに「regedit」と入力し、上部 [regedit コマンドの実行]をクリック。
2. 次のレジストリの値を変更する
キー名:HKEY_CURRENT_USER\Software\Justsystem\Homepage Builder\21.0\hpbpage\Settings\Options
(注「21.0」はHPBのバージョンなので、20なら「20.0」などとする。見つからなければ、ツリー表示から探せば良い)
Options をクリックし、画面右側の complementUrlProtocol ファイルを右クリック、[修正]をクリックし、値のデータ [1] を [0] に変更し、[OK] を押す。
名前:complementUrlProtocol
値の型:DWORD
値:0/1(デフォルト1)
3. ホームページビルダーを再起動する
再起動すれば、設定が有効になります。
※実行される方は、バックアップを取ったうえで、自己責任でお願いします。動きが異常に重くなる
実際にやってみると、たしかに「"//」の前に、「http:」が勝手に挿入されるという
クソ仕様は解消されました。
しかし、保存時に、ものすごーい時間がかかる、という副作用が生じました。
保存のたびに、パソコンと1分以上にらめっこしなければなりません。これは使い物にならないので、元に戻しました。
常時SSL化時代に、ホームページビルダーの「勝手にhttp絶対パス化」は、非常に大きな問題です。
次のバージョンでは解消されることを期待しているのですが、例年10月頃に発売されているホームページビルダーが、2017年は未発売です。
詳しい説明は省きますが、この仕様にはホームページビルダーならではの理由がありそうです。
解消する場合、ホームページビルダーのサイト構築の仕組みを大きく変えなければならないと推測されます。ホームページビルダー22が、今年に限って未発売なのは、そうした理由があるのかもしれないな、とちょっと思ったり。

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