鉄道をテーマとする博物館が増えている。
国鉄分割民営化の後、JR各社は自前の鉄道博物館を持つようになったし、私鉄も自社の車両の保存・展示施設を整備するようになった。最近では、小田急が海老名駅前にロマンスカーを中心とした展示施設を作ることが発表された。
電車とバスの博物館は、そうした鉄道系博物館のなかで、歴史は古い方だ。1982年に高津駅構内にできたのが最初で、2003年に現在の宮崎台駅構内に移転した。すでに30年以上の歴史を誇る。

行ってみると、「博物館」的な重々しさはなく、近所の気軽なテーマパークである。古い車両にも乗り込んで座ったりすることができる。模型やシミュレーターが充実しているのも特徴。年齢別に難易度の違うシミュレータがある。
鉄道車両の保存・展示を目的とした一面もあるけれど、それよりは鉄道好きのちびっ子を楽しめさせるようになっているのが特徴といっていい。
実際、子どもを連れて行くと、楽しそうに保存電車内を駆け回り、模型電車をのぞき込む。古い車両の価値などわからないだろうが、楽しんでいることだけはたしかである。
幼児向けのプラレールから、模型、大人向けのトレインシミュレーターまで、小さい建物に、ぎゅっと詰め込まれている。

3歳児にトレインシミュレーターはちょっと早いが、模型運転は面白そうに見てくれる。
博物館という名称だが、「でんばすランド」とでも名付けたほうがいいくらい、子ども向けの施設だ。
週末はとても混んでいる。が、平日は空いているので、思う存分遊ばせられる。
子どもを安心して遊ばせられるから、こういう施設は親としてはありがたい。そして子どもは知らず知らずのうちに、のりもの好きになっていく。
それが鉄道会社の狙いなのかもしれないが、気にしないで、まんまと狙い通りにはまってしまおう。