逗子の珠屋といえば、石原家御用達の洋菓子屋さんとして知られています。70年続く老舗です。
近くまで行ったので、ケーキを買ってみました。珠屋の看板ケーキのピーチロールと、モザイクです。
こちらがピーチロール。生クリームに刻んだ桃を混ぜて、スポンジで巻いたケーキです。

スポンジに重みがあり、昔懐かしい、昭和のロールケーキの味がします。シンプルながら、桃の食感が絶妙なアクセントになっています。
こちらは、モザイク(ハーフサイズ)。ココアスポンジとスポンジが市松模様になっています。バタークリームとチョコレートが全体をくるみます。

バタークリームが、とりわけ昭和感を引き立てます。子どもの頃の「ケーキ」って、こんな味でしたよね。食べた途端に血糖値が上がりそうな、力強い甘さです。
どちらも、いまどきのケーキのような洗練された味わいではありません。素朴でちょっと野暮ったいですが、とても懐かしき感動を与えてくれる美味でした。
昔のレシピを変えずに、ずっと同じ味の商品を何十年も販売し続けるというのは、すごいことです。それは店の力だけでなく、地域の客の力でもあるでしょう。
昭和の面影と令和の先端を併せ持つ、逗子という町の底力を見た気がします。