
子どもの頃、「拗ねないの」とよく叱られました。私はよく拗ねた子だったようです。
遺伝なのか、私の息子もよく拗ねます。
息子は、何か自分が失敗すると機嫌を損ねることが多々あります。最初は、自分の失敗の気持ちを整理できずに怒ってしまうのだな、と思っていたのですが、最近、それが「拗ねる」であることに、ようやく気づきました。
それ以来、私は息子が機嫌を損ねたとき「拗ねないの」と言うようにしています。「拗ねる」という言葉を理解するまでには時間がかかると思いますが、いずれわかるようになるでしょう。
考えてみれば、育児とは、自分が親に叱られたことを、子どもに叱ることの繰り返しです。
自分は親の鏡であり、子は自分の鏡です。先祖代々、口伝のように同じ台詞が繰り返されてきたことでしょう。
子を見て親を思い、祖父母を思い、見たことのない先祖を仰ぎ見ます。
私たちはいつから同じ言葉を、伝え続けてきたのでしょうか。