「ウォシュレット・ネイティブ」の子どもたち

ウォシュレット トイレ

自分が初めて温水洗浄便座(以下、ウォシュレット)を使ったのはいつだったでしょうか。

正確には覚えていませんが、少なくとも私が学生だった1990年前後には贅沢品で、リッチな家庭に遊びに行かなければ、なかなかお目にかかれませんでした。

ウォシュレットが庶民に広まりはじめたのは、たぶん1990年代後半だと思います。この頃から、一般の住宅でも徐々に標準装備になっていき、「贅沢品」とはいえなくなってきました。

いまでは高速道路のサービスエリアや、コンビニのトイレにまでウォシュレットがあったりします。2020年代を迎え、ウォシュレットは日本において、しっかりとコモディティ化しました。



2010年代生まれの子どもたちは、ウォシュレットを、生まれた時から身近にある所与の装置として認識していることでしょう。いわば「ウォシュレット・ネイティブ」です。幼児からウォシュレットが身近にある環境で育った子どもに、ウォシュレットをどう使わせるかは迷うところです。

ウォシュレットの扱いは、紙で拭くのに比べれば難しくはありませんが、簡単とまではいえません。また、おもちゃのように使われるのは困ります。あまりに強く温水を吹きかけると、肛門周囲の皮膚の皮脂まで過剰に洗い流してしまうので、使いすぎは良くない、という指摘もあります。

肛門の皮脂が乏しくなると、皮膚のバリア機能が低下し、かぶれやかゆみなどの症状が起こることもあるそうです。これを「温水洗浄便座症候群(ウォシュレット症候群)」と呼ぶこともあります。

そんな話を聞くと、幼児にウォシュレットは早すぎる、紙で拭く習慣を付けさせるべきだ、という意見を傾聴してしまいそうです。



一方で、21世紀のこの世界に、厳然と存在している便利な装置を、子どもが使うことに何の問題もない、という意見もあります。

いまや、日本国内では、外出時にウォシュレットのあるトイレを探すのは難しくありませんし、自宅にウォシュレットがあるなら、それに慣れさせても大きな不自由は生じません。ならば、お尻を清潔に保てるウォシュレットを使うことに、何の躊躇がいるものか、というわけです。

この意見も、ごもっともです。親だけきれいにお尻を洗い流して、子どもには紙で拭け、というのも、なんだか気の悪い話です。



大事なポイントとして、学校のトイレにはウォシュレットがない、ということも頭に入れておかなければなりません。家庭のトイレのウォシュレットに慣れてしまったら、学校で大便ができなくなるかも、という心配があります。

実際に自分の身を振り返ってみると、昭和時代の学校のトイレは和式が主流でした。一方で私の自宅のトイレは洋式でしたので、和式トイレには慣れず、少年時代の私は、小学校で大便をしたことが、ほとんどありません。

とはいえ、どうしても出そうになったときにはしましたし、ウォシュレットでも同じことでしょう。お尻の拭き方なんて、年齢とともにできるようになるでしょうから、大きな心配はいらないのかもしれません。

と、書いて、念のため調べてみたら、最近は公立学校でも、温水洗浄式便座を導入する事例が出てきているそうです。時代は進んだなあ。そもそも最近の公的施設は多機能トイレの設置が義務づけられているので、各学校にも最低一つは温水洗浄式便座が用意されているのかもしれません(適当)。



いろいろ書きましたが、温水洗浄式便座が博く普及している現代に産まれた我が息子は、まごうことなき「ウォシュレット・ネイティブ」といえます。我が家のトイレはINAXなので「シャワートイレ・ネイティブ」かな。一般表記にするなら「温水洗浄便器ネイティブ」か。

時代の流れに逆らってもいいことはありません。お尻を水で洗うことが、そんなに悪いこととも思えません。ですから、子どもが使いたがれば、気にせずにシャワー機能を使わせることにしています。だって、そのほうが子どもも気持ちがいいでしょう。

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かまくら・じゅん
旅人。旅行総合研究所タビリス代表。日本と世界の世界遺産、鉄道、島などを取材中。→詳しいプロフィール

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