イギリス留学日記7 櫂を漕ぐ

先週の木曜日に、「パンティング」というのがありました。これは、ベネチアのゴンドラのようなもので、船を櫂で漕いで、川を回る、というものです。
放課後のエクスカーションでした。

僕は、イタリア人の男子と、ロシア人の女子2人のチームに入りました。計4人です。

で、乗ったとたんに、僕に櫂が渡されました。

イタリア人は、オタク、という感じの男子で、身長は大きいのですが細く、運動神経は自信なさげ。
ロシア人の二人は超大金もちの娘で、「あなた方よろしくね」みたいな感じです。

まあいいや、と思い、櫂で漕ぎ始めたのですが、これ、すごい難しい。

ボートを漕ぐ要領と違うのです。

船の一番後ろに立って、川底に櫂を突っ込んで進むのです。水を漕ぐのではなく、川底を押すのです。

思った方向になかなか進まず、仕方なく、船の方向を変えて、僕が一番先頭に立つ形にして、水を漕いで進むようにしました。これだと、船を漕ぐ要領なので、なんとか進みます。

が、「パンティング」の櫂は、そもそも水を漕ぐようになっていないので、なかなか進まない。

で、疲れて休んだら、ロシア人の二人が僕から櫂を奪い取り「私がやるわよ」とばかりに漕ぎ始めました。が、思ったように進みません。

そのうち、ロシア人の一人のモラン17歳は、半狂乱になり岸に向かって「ヘルプミー」などと叫びだしました。

「僕が代わるよ」と声をかけても、「ノー、ユー、ノー」と一喝。

たいした流れの川でもないし、基本的にまったく問題ないのですが、モランは半狂乱。

結局、僕がモランから無理やり櫂を奪い取り、なんとか「漕いで」波止場まで戻りました。

が、とにかく、ロシア娘の信頼を失ってしまった夕方でした。



そしてその夜、寮のラウンジで、みんなで酒を飲んでいたときに、ロシア娘のもうひとり、マリアが、僕に「ところで、あなたは何歳なの?」

僕が自分の年齢をいうと、「あら、うちのお父さんと同じ。そんな年取った人に、いっぱい漕がせちゃったのね、ごめんなさい」とあやまられました。

うーん。

なんかうまくオチませんが、そんな感じの日露関係でした。

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