留学の最終日の夜、寮でパーティーが開かれました。その時点で、20人あまりの学生がいましたが、その週で半分以上が帰国し、残るのは8人だけ。大勢が集まる「事実上の最終日」ということで、寮のラウンジに皆が集まりました。

学生間の人間関係は、必ずしもそれほど潤滑ではありませんでした。各国人どうして固まりがちで、そのなかでもいろんな好き嫌いがあるようでした。日本人の間でも、関係は微妙なものがありました。ただ、最終日の夜は、そういうのを乗り越えて、各学生がたくさんしゃべって楽しく過ごせました。
僕は増えすぎた荷物の処理に困り、深夜まで荷造りをし、寝たのは深夜2時過ぎでした。テキストやプリントは、もう使うとも思えないので捨てても良かったのですが、やはり捨てられず、僕の小さなトランクは膨らみすぎてぱんぱんになりました。
寝る前に、一台あるパソコンでメールを確認しようと、1階のロビーに降りると、日本人数人と、ギリシア人のニコレッタがいました。ニコレッタも、今週で帰ります。僕が、もう明日の朝早くに発つよ、と言うと、「ooh, goodbye」と、ハグをしてくれました。
朝は6時に起き、着替えて、最後のお茶を湧かして飲みました。そうしているうちに、日本人女性のTさんが、僕の部屋をノックしました。彼女も、僕と同じ日に帰国するので一緒に空港まで行くことにしていました。
ロビーには、責任者のチャールズが来ており、早大のR君も見送りに降りてきてくれていました。僕たちは名残惜しく、寮を出ました。
バスでカレッジまで行き、ダイニングで最後の朝食です。出発日の朝まで、朝食を取っていっていい、というシステムは親切です。食べているうちに、日本人女子学生のMさんがやってきて、「挨拶しないわけにはいかないじゃない!」と優しいことを言ってくれました。さらに、他の日本人学生たちも続々と現れて、ついに全員が揃いました。
彼らは、なんとカレッジを出て、バスターミナルまで見送ってくれました。「さようなら」と手を振って、空港行きのバスは出ます。僕とTさんは、車内から手を振り返しました。
窓の外には、2週間住み慣れたオックスフォードの景色が、どんどん流れていきます。不安を抱えながら到着した2週間前が、ずいぶん昔のような気がして、また昨日のような気もしました。
バスは順調にヒースロー空港に着きました。Tさんはブリティッシュエアウェイで、僕はヴァージン航空です。ターミナルがちがうので、空港バスターミナルが、僕たちのお別れの場所になりました。地下道に降りて、道が分かれるところで、僕たちも握手をして別れました。
いろいろありましたが、楽しい「プチ留学」でした。
ありがとうみなさん。そしてまたどこかで会いましょう!
(イギリス留学日記 了)
よかったら、拍手の一つでもしてください。