15時間も走るというのに、あおもり号では、車内販売はありません。車内の自動販売機も、空っぽです。なので、駅で食糧を仕入れる必要があります。

主な長時間停車は金沢3分、直江津10分、鶴岡5分、酒田4分、秋田4分。金沢、直江津は深夜で、キオスクなどは開いていませんから、何か買い物しようと思ったら、鶴岡、酒田、秋田の3駅だけです。が、鶴岡にはホームにキオスクなし。酒田は改札に面したホーム、秋田はホームにキオスクがあります。が、いずれの駅も、キオスクの店員は一人です。殺到する客を捌ききれず、買い逃す客も多数。
結局、食糧はあまり手に入りません。
個人的には、大阪駅で買ったビールを京都までに飲み干してしまい、その後酒なしに苦しみました。寝台車で酒がないって、ちょっとやっぱりどうかと思うよね。
で、酒がなかったかからかどうかはわかりませんが、結構遅くまで起きていて、0時31分初の金沢を出たところまでは起きていました。そのあと、寝ましたが、僕は下段で、車輪の上あたりだったので、これが揺れる。古い車両でサスペンションがもう効かなくなっているのでしょうね。何度も揺れで目を覚まします。そして、カーテンも薄いですから、明るくなると、眩しくて寝てられない。下段は窓が大きいぶん、朝の光がまともに差し込むのです。この点、上段や中段は、非常に窓が小さいですし(写真)、車輪から離れているので、下段よりは寝られるかもしれません。

朝は結局5時半には起きてしまいました。眩しいし揺れるし寝てられないのです。ラウンジカーにいったら、結構埋まっていました。みなさん、寝られないのか、そもそもここにずっといるのかは、不明です・・・。
鶴岡6時59分着。コーヒーが飲みたかったが、そんなものはない。ホームの自販機は冷たいのしかありませんでした。
酒田7時34分着。改札内のキオスクはあっという間に行列で、とても買えない。みなさん、パンや新聞を買っていました。ヒマだものなあ。僕は、自販機で暖かい缶コーヒー。これで我慢しよう。

車内放送で、「寝台の解体はありません」と流れる。数年前まで、この列車では寝台を座席車に変える「解体」が行われていて、それが人気の秘密でした。なにしろ、解体の見られる列車は、これしかなかったのです。ところが、今年はもう解体はしない、という。人手がかかるからの省力化でしょうか。楽しみにしていたのですが、残念。
秋田9時18分着。もう乗ってから12時間以上経つのかと思う。時間が止まったように早く進む。秋田では、駅弁ゲット。寝不足と運動不足で食欲はなかったが、キオスクにカネを置いて(応対待っていたら買えない)おく。
青森12時18分着。結局、乗り通したのは乗客の半分くらいでしょうか。ほぼ全員テツです。まともな乗客は途中駅で降りてしまいました。
15時間40分。長いと思っていたけれど、あっという間でした。下段ということもあり、揺れを除けば快適でした。昨日の大阪駅の喧噪がウソのような、静かな青森駅ホームです。同じ列車で大阪から青森なんて、なんだか変な感じです。

乗客の半分は鉄道ファン、実需が半分、というところでしょうか。僕は鉄道ファンばかりだと思っていたので、実需が半分あるだけでも、正直驚きました。いまだに、帰省で寝台車、しかもよりによって寝心地の悪い電車三段式寝台なんかに乗る人いるんだなあ。
でも、子供連れや年寄りにはよさそう。飛行機よりはラクかもしれない。

半分が鉄道ファン相手であっても、乗る通す客がこれだけいて、満席ならば、商売的にはペイするのかな、と思いました。なので、来年も動くかも知れないですね。
とはいえ、この列車の人気の源泉である「解体」がなくなってしまったら、人気は落ちるかもしれません。解体を見れないなら、たんなる583系体験で、それは急行「きたぐに」が今でもありますから。
北陸新幹線が金沢まで開業するのが2012年。このときに、北陸本線は大改正が行われ、北陸本線が部分的に第三セクター化します。そのときには、おそらく「あおもり」も廃止になるのでしょう。となると、長くてあと4年。年1往復なら、あと4往復で廃止です。1960年の時代体験ができる583系に乗りたい人は、お早めに。
