日本最長の各駅停車(2009新春北海道旅行・その2)

日本最長距離を走る普通列車をご存じでしょうか。

昭和の時代、日本最長普通列車といえば824列車、門司発福知山行きで、走行距離は595・1キロでした。これは1984年に廃止され、幾多の変遷を経て、現在の最長列車は2429D列車となっています。北海道の滝川発釧路行きで、走行距離は304.8キロ、所要8時間の旅です。札沼線に乗った翌日、この鈍行を制覇してみました。
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前日は札幌に泊まりましたので、札幌を早朝6時58分の普通列車滝川行きで出発します。赤色の近郊型電車に1時間40分ほど揺られ、滝川着8時39分。ここが旅のスタートです。2429D列車の出発まで1時間ほど時間があるので、朝食を食べに、駅前を探索してみましょう。

……が、ご覧の通りのシャッター商店街。
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最近は、地方都市はどこもシャッター商店街だらけなのですが、ここは特にひどいですね。駅前に大型スーパーの残骸があるのですが、閑散としています。聞けば、ここは1986年にできた再開発ビルで、かつては西友が入っていたそうですが、2003年に撤退。いまは100円ショップと、少しの衣料品などのテナントが入っています。てっぺんにはボウリング場のマークがありますが、当然営業していません。

滝川は、かつては商業都市として栄えました。周囲を炭鉱都市に囲まれた交通の要衝で、炭鉱が最盛期を迎えた昭和30年代には、周辺都市からの買い物客などで賑わったそうです。しかし、相次ぐ閉山で周辺人口は激減。滝川市の人口も4万人程度で、大規模な駅前商店街を維持するだけの規模もない上に、郊外にショッピングモールもでき、駅前は急激に衰退したようです。
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商店街には、朝食を食べる喫茶店すら見あたらず、唯一開いていたミスタードーナツで、コーヒーとドーナツを食べました。朝からドーナツなんて食べたくないのですが、食べておかないと列車でお腹が減ってしまいます。近くにイオン系のスーパーが開いていたので、そこで少しの食料を買って、駅に戻りました。

2429Dはすでに入線しており、驚いたことに結構混んでいます。特急などで着いた場ばかりの旅行者が多い。キハ40単行で、午前中景色のいい左側のボックスシートは埋まっていました。
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20人くらいの乗客を乗せて出発。昨夜は低気圧が近くを通ったこともあり、雪が積もり景色はきれいです。雪のあとの快晴で、空気も澄んでいました。

富良野で21分停車。富良野で降りる客は多かったです。さすが観光地富良野。駅前も、滝川よりは栄えている感じでした。

富良野で一両増結。乗客は少しゆったりしました。
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左手に十勝岳を見ながら、列車は狩勝峠に向かいます。
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峠の手前の駅が落合。ここでも15分ほど停車。かなり雪深いです。
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狩勝峠は、かつては根室本線最大の見所で、日本3大車窓のひとつにも数えられました。ただ、新狩勝トンネルが開通してからは、雄大な車窓は失われています。トンネルとシェルターをくぐり抜けていくうちに、列車は新得に着きました。ここは、千歳空港方面の乗換駅で、「まともな」乗客も降りていきます。

新得から坂を駆け下りて、帯広着。31分の停車です。きれいな高架駅で、名店街に豚丼の店があり、テイクアウトできます。僕もこれを購入してひるめし。なかなか美味しかった。
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帯広を出て1時間ほどで、列車は海に出ます。太平洋! 荒波です。さすがに北の海って感じです。これから、太平洋を見たり内陸に入ったりして釧路まで。
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冬の北の日は短く、あっという間に暗くなります。僕も疲れてきて、最後は「早く着かないかな」という気分に。

17時38分、ようやく釧路着。滝川から8時間、札幌からだと10時間40分が経ちました。ちなみに、特急なら、札幌から釧路まで3時間40分程度ですから、3倍の時間がかかりました。
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昔は8時間くらいの旅はへっちゃらだったのですが、さすがに疲れました。座っているだけなのに、不思議ですね。

(2009年1月18日乗車)

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