小笠原諸島が世界遺産になるらしい。
まだ政府の暫定リストに載っただけだが、平泉などと比べたら有力で、早ければ今年秋にも登録が決まるとか。
おめでとー。
という気にはなれないなあ。
なんでって、旅行者にとって、世界遺産になっていいことなんてひとつもないから。
観光客が激増して混雑する。現地の観光化が進む。立ち入り制限とかうるさくなる。
ということで、世界遺産になる前に行っておこう、と、このゴールデンウィークに行くことにする。
と、気楽に書いたが、小笠原諸島は遠い。中心となる父島は、東京から約1000キロの海上にある。にも関わらず、空港はない。だから船でいくしかない。

(地図はWikipediaより引用)
船は、東京の竹芝桟橋から父島・二見港まで、「おがさわら丸」というフェリーが出ている。これに乗るほかないのだが、25時間30分もかかる。しかも、繁忙期でも3日に1便しかない。したがって、船1泊、現地3泊、船1泊の5泊6日が最低の旅行日程になる。
竹芝出発から帰着まで125時間。そのうちの51時間が船中という計算だ。船中率はじつに40%。6日もかけて旅をしているのに、その4割が船の中なのである。なんと「時間対効果」の悪い旅だろうか。
つまり、船旅を楽しむつもりでないと、小笠原なんて行けないのだ。
では、次項から、小笠原をご紹介しましょう。