石垣島の地価は上がっている。日本全国の地価が長期低落傾向にあるのだが、石垣島に限っては、近年も上昇傾向にあるのだという。
理由の一つは、石垣島の新空港建設である。順調にいけば2013年にも開業するとのことで、そうすれば本土からの正真正銘の直行便が増えると予想されている。それを見越した投資・投機が起こっているらしい。
もう一つは、移住ブームである。理由はわからないが石垣島に移住を希望する人が急増しているそうで、それに対して住宅供給が追いついてない。従って地価が上がっている、ということだ。
最後の1日、石垣島をクルマで回ってみたが、なるほど、ちょっと日本の他の地方とは違う活気が、この島にはあった。商店街は観光客相手の店ばかり、という感はあり、地元の人は少ないが、若干寂れているが、郊外にはマックスバリューがある。ここは活気があり、若い親子連れなども多い。


郊外をクルマで走っていても、古い家が多いが、新しい喫茶店があったりする。店主に尋ねてみると、たいていは本土からの移住組である。そういうお店は本土風に適度に小綺麗で、一見客でも入りやすい。僕も本土人だから、そういう店に吸い込まれてしまう。
観光客は多い。本土からの日本人はもちろん、基地がないのに白人も結構見かける。台湾からの客も少なくない。竹富島への船では、台湾の団体客にぶつかったし、ホテルの大浴場も台湾人に占領されていた。台湾人は、裸で風呂に入るのに抵抗がないらしい。
ホテルの1階にある土産物コーナー。平凡な品揃えで、いまどきそんなところでお土産を買う人もいないだろう。それでも、成り立っているのは、どうも台湾人がバンバン買ってくれるかららしい。
有名なペンギン食堂にも行ってみた。ペンギン食堂のラー油は、 5分ほど並んだだけで買えたが、それでもこの真冬で食堂は満員で入れなかった。

石垣島ラー油のブームが、石垣島そのもののブームとリンクしているのかどうか、よくわからない。けれど、やはり関連はありそうだ。
ただ、観光地、として考えると、なぜそんなに石垣島が人気なのか、僕にはよくわからない。快適な土地だが、観光的にはみるべきものは少ない。マリンスポーツをするのでなければ、長居するには退屈である。西表島や竹富島など、近隣の離島のほうが、観光地としては魅力的だ。
むしろ、石垣島の魅力は、雑然とした古さ、ではないかと思う。市街地は、観光地というよりは、昭和の風情を残すジャパン・アジア、あるいは琉球・アジアである。


上の写真の雑貨屋など、本土ではまず見られないような風情である。
最後は、石垣島空港。手狭である。もうすぐ、新空港ができれば、お役ご免だから、整備もされない。が、昭和沖縄の面影を強く残すコンクリ造は、失われるのがもったいないような雰囲気を醸し出す。

最後の飛行機は、満席であった。那覇空港に到着し、ターミナルに出ると、そこは別世界のように華々しかった。
最後はただの雑記で申し訳ございません。お読み頂きありがとうございました。
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(2009年八重山紀行・了)