1系統 鹿児島駅前-谷山
2系統 鹿児島駅前-郡元
計13.1km

仕事で鹿児島に行った。仕事自体は2時間ほどで終わったので、これを機会に九州の残り未乗線を乗ろうと思う。まずは、鹿児島市電である。
鹿児島市電には、たしか1984年の年末に乗った。伊敷線と上町線が廃止になると言うので、乗りに来たのである。が、それ以外の路線については乗った記憶がない。なので、たぶん乗ってないのだろう。いずれにせよ、鹿児島市電の記憶自体がほとんどないので、とりあえず全線乗り直そうと思う。
朝羽田を発ち、空港からリムジンバスで鹿児島市内に入る。仕事を済ませたのが16時頃。仕事先の騎射場という電停から、ちょうど来た鹿児島駅前行きに乗る。

新型の低床車である。しかし、乗ってみると、出来の悪い車両であった。車両中央の床を下げて乗り降りをしやすくしているのはいいのだが、おかげで、駆動機器類が運転台近辺に集中してしまっている。そのため、運転台の位置は高く、座席の位置は低いという構造になっており、客席から前後の見晴らしがひどく悪い。簡単にいえば、客室から前がよく見えないのである。

この車両は日本のアルナ工機製である。ヨーロッパ製の車両だと、こういうことはない。日本の駆動機器の小型化技術が、ヨーロッパメーカーより劣っているのかもしれない。お金をいくらかけてもいいのなら、もちろん、技術的には日本メーカーでも可能なのだろうが、日本は路面電車のニーズが少ないから、メーカーは技術開発費を抑えなければならない。そのため、旧技術を使用して無理矢理低床化しようとするから、こういういびつな車両しかできないのだろう。

これはバスでも同じで、日本の低床バスは、後部車輪の上の床が高くなっている。ヨーロッパでは、全体的に低床になっていて、床面はフラットである。市内交通の車両の技術は、日本は世界の先端を走っているわけではない。
それはさておき、暗い車内だが、結構混雑している。鹿児島市電は黒字だそうだが、それもわかる。20分くらいで、鹿児島駅前に着いた。
鹿児島駅前電停は、3面4線の立派な「駅」である。それに比べると、鹿児島駅は思っていた以上にしょぼい。現在の駅舎は1976年に造られたそうで、当時すでに鹿児島の中心駅は西鹿児島駅に移っていたからかもしれない。

折り返して、2系統郡元行きに。天文館のあたりから混み出して、鹿児島中央駅でどっと降りた。鹿児島大学の隣をかすめて、郡元着。
いったん騎射場まで戻り、さらに折り返して谷山行きに乗る。途中から専用軌道になって、郊外電車のようになった。市電といいながら、実際は鹿児島近郊と市内を結ぶ鉄道なんですね。終点の谷山も、電停というよりは「駅」に近い。

谷山電停からJR谷山駅まで歩いてみる。7~8分かかった感じがする。結構離れている。
ちょうど、鹿児島からの列車が到着した。どどっと客が降りてきた。谷山は、結構賑やかな郊外の拠点のようである。