伊田線 直方-田川伊田 16.1km
糸田線 金田-田川後藤寺 6.8km
田川線 行橋-田川伊田 26.3km

筑豊地区の特定地方交通線のうち、存続した路線は、すべて平成筑豊鉄道に統合された。それが、伊田線、糸田線、田川線である。
JR直方駅の跨線橋の陰に隠れるように、伊田線の乗り場がある。

予想外にきれいな車両で、銘板を見たら2007年に導入されたばかりの新車である。ローカル線とはいえ、第三セクターはやはり経営基盤が強い。車内もご覧のとおりきれいだ。

伊田線は、複線の堂々たる線路を走っていく。かつては、石炭輸送の貨物列車が頻繁に通った名残である。特定地方交通線として、国鉄から廃止・分離された路線のうち、複線区間はここだけなんじゃないかと思う。
風景は緑美しい田園地帯である。ここが黒いダイヤの産地だったとは思えない鮮やかさである。
金田で乗り換え。この駅は広い構内を持つ。かつてはセメント輸送で賑わったらしいが、いまは広さをもてあましているようだ。

糸田線に乗る。こちらは単線である。終点の田川後藤寺駅は1線だけの細いホーム。すぐに折り返し、再び金田。
そして、また伊田線。これは田川線にそのまま乗り入れて、行橋まで行く。
複線は田川伊田までで、柿下温泉口を過ぎたあたりから山がちになるが、どの駅もホームは大きく、構内は広い。写真は油須原駅。いい雰囲気だ。

小さな峠を越えると、旧炭鉱地帯は終わりである。田園地帯の単調な景色を眺めつつ、行橋に着く。最近高架化されたらしく、味気ない駅である。
これで、九州での未乗区間は、博多-博多南間だけになった。この区間は、九州新幹線開業のときに乗ってしまおうと思う。開業予定は、2011年春である。