黒部峡谷鉄道工事用線(未公開黒部ルート旅行記3)

欅平-欅平下部 0.5㎞

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一般人が乗れる黒部峡谷鉄道本線は欅平が終点である。が、線路は、その先のトンネル内まで続いている。

9時20分に欅平の食堂に集まった「黒部ルート」参加者たちは、手続きを済ませ、10時発のトロッコ列車に乗る。これは欅平から「その先のトンネル」に入っていく。

トンネルは左右に二つあり、左は、黒部川第三発電所への引込線である。参加者たちが入るのは右側のトンネルである。
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このトンネルは、距離にして500メートルで行き止まりになり、そこでスイッチバックして戻ると「欅平下部駅」に着く。時間にしてわずか3分。すぐに下ろされる。2本の線路があるが、ホームはない。
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この欅平下部駅で、工事線は終点である。この先、黒部ダム方面へは上部専用鉄道線が延びているが、それは200メートルほど上にある。この間をエレベータが結んでいる。これを「竪坑エレベーター」という。

欅平下部駅は、3線式の構内で、そのうちの2線が交わるところににエレベーターが設置されている。エレベーターには線路が繋がっており、車両もそのまま載せることができる。

人間は36人を載せることができる。参加者30人もこのエレベーターに乗り、地中を200メートル登る。
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こんなエレベーターなど用いずに、傾斜を急にして線路を引くことができないのか、とも思う。エレベーター内に張られていた説明によると、この近辺の河川勾配は24分の1にもなり、川沿いに線路を引くことが不可能だったのだという。24分の1とは、約100分の4であり、約40パーミルの傾斜にすぎない。

現代の感覚からすれば、40パーミルくらいなら引けないことはないんじゃないか、とも思う。たとえば、箱根登山鉄道には80パーミルの急勾配がある。

が、この区間が完成したのは1936年、戦前である。不可能ではなかっただろうが、エレベータのほうが工事が容易なことは、さすがに僕にも想像がつく。
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かくして、参加者たちは、天井の高いごついエレベーターに3分ほど積み込まれ、欅平上部駅に到着する。ここが、黒部ルートのハイライト「上部専用鉄道」のスタート地点である。

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