長野電鉄長野線

長野-湯田中 33.2km

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大糸線を乗り終えてから、直江津を経て長野にやってきた。自分にとって未乗の地方私鉄として最大の長野電鉄に乗るためである。

長野電鉄も、昭和の香りを残す会社として知られている。

長野駅は、1981年にできた地下駅。地方鉄道の地下駅は珍しい。が、30年前の地下駅なので、やっぱり昭和な香りがする。

停まっているのは、かつて小田急ロマンスカーだった車両。小田急では引退したが、それを引き取って当地では特急として使われている。東京で見たら古い車両に見えるが、長野電鉄の薄暗い地下駅では、掃きだめに鶴だ。

長野の市街地を抜けると、長野盆地の鮮やかな緑の大地が見える。千曲川を渡るあたりは、景色も気持ちもいい路線であった。


信州中野を出ると、くねくねとした勾配を登っていく。

登り切ったところが終点の湯田中である。

温泉地で知られたところで、駅にも日帰り温泉がある。暑い日でたんと汗をかいていたので入ってみたが、さらに汗をかいただけ、という感じでもある。とにかく暑かった。

湯田中からの帰りは、普通電車に乗った。これがかつて日比谷線で使っていた車両であった。またまた懐かしい。

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幼い頃、たぶん4歳か5歳の頃、僕は親に連れられてよくこの車両に乗った。この車両の特徴は、ドアの窓が小さいことである。幼い僕には、小さい窓のおかげで、外が見えなかった。だから、この車両が来たときは恨めしく思ったものである。幼心に、この車両は嫌いだった。

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こんなこと、もう30年以上忘れていた。忘れていたことを一気に思い出すのが、旅の魔力である。湯田中から信州中野に着くまでの間、僕は日比谷線沿線に住んでいた幼稚園時代を思い出していた。

この車両には冷房がなかった。そのため、非常に暑い。いまの日本で冷房なしの車両にあたることなど、めったにない。でも、僕が高校時代は、通学で利用していた根岸線でまだ非冷房車というのがあったと思う。あのころは、それでも平気だったんだなあ、と今度は高校時代を思い出した。

乗客を昭和に引き戻す力のある鉄道。それが長野電鉄であった。

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