
一番最初に乗った夜行急行は、たしか急行「ちくま」だったと思う。それ以外にも、僕はこれまで数多くの夜行急行に乗ったことがある。
しかし、最近はまったく乗ってない。乗りたくても、夜行急行がほとんどなくなってしまったので乗れないからである。最後に乗ったのは急行「銀河」だったが、たぶん10年くらい前のことだ。しかし、それも2008年に廃止されてしまった。
現存する定期運転の夜行急行列車は、大阪-新潟の「きたぐに」と、青森-札幌の「はまなす」だけである。そのうち、伝統的な「客車急行」に限れば、「はまなす」だけになってしまった。その「はまなす」も、数年後に新函館まで新幹線が延伸されれば、おそらく消えてしまうだろう。姿を消してしまう前に、乗っておきたい。そう考えて、青森まで普通列車に乗ってやってきた。
昨年の「北海道&東日本パス」のルール改定で、「はまなす」に乗るには急行料金が必要となった。しかし、それまで乗れなかった指定席や寝台車にも乗れるようになった。少しでも安く旅をしたい、という人には改悪かもしれないが、僕にとってはこれは素晴らしい改定である。なぜなら、貴重な夜行急行寝台に、格安切符で乗ることができるからだ。
切符のルールはいつ変わるかわからない。だから、今のルールのうちに乗ってしまおうと、わざわざ普通列車を乗り継いで、青森までやってきたのである。
さて、青森駅では1時間以上の待ち時間があったが、夜遅すぎて、駅前で食事できるところは限られる。駅から5分くらい歩いたところにある大戸屋が最適だが、あいにく21時半にラストオーダーなので、東京から普通列車で来た人は利用できない。
そう思って駅前通りを少し歩いたら、吉野屋ができていた。最近オープンしたらしい。黒磯で駅そばを食べたきりで、晩ご飯が吉野家というのもどうかと思うが、さっと食べてしまうにはそこしかなかった。
入ってみると、鉄道ファンとおぼしき人がたくさんいる。「はまなす」出発前の、夜食供給基地、といった風情である。
食べ終えて、青森駅に戻ると、ちょうど「はまなす」が入線するところであった。

とりあえず、撮影する。この姿を見るのも、これが最初で最後かも知れないと思いながら。
長くなったので、続きます。
時刻表でたどる夜行列車の歴史
寝台急行「銀河」物語