「はまます」の編成は、思ったより長い。基準は7両編成だが、僕が乗った日は寝台車が1両増結されていて、計8両編成だった。B寝台車3両、指定席3両、自由席2両である。

冬の凍てついたホームに停まる姿はなかなか美しい。

寝台車も、下段は7割方埋まっていたが、上段はガラガラだった。トータルの乗車率は6割程度といったところか。多いのか少ないのかわからないが、この時代に夜行列車の寝台車に乗る人が数十名いるだけでも驚く。
ただ、僕のコンパートメントは僕一人だけである。懐かしい、開放型2段式B寝台だ。昔はシートの色は青かったが、いまは橙色に近い。

ちなみに、指定席は空席が目立ち、自由席の乗車率も4割程度だった。
写真を撮っているうちに、すぐに発車時刻になる。ホームの売店は閉まっていて、出発直前には何も買えない。

最近はビールを飲まなくなったが、寝台に収まってから、どこかで買っておけばよかったと後悔した。夜行寝台列車に、ビールはつきものだ。車内の自動販売機を見てみたが、やはりアルコール類は置いてなかった。
静かに青森駅を発車。客車列車特有の、がたりとした揺れが心地よい。雪が降り積もっているだけに、余計に静かに感じる。
もう23時前なので、あまり夜更かしはできないが、車内をざっと探索。就寝はみな結構早い。使い慣れているのだろうか。すぐに寝台のカーテンは閉まっていく。

隣のコンパートメントは、中国人家族である。それ以外にも、外国人がちらほら。おそらくは、ジャパンレイルパスの利用客だろう。
ジャパンレイルパスでは、B寝台は追加料金なしで乗れる。そのおかげで、寝台車では外国人を最近は本当によく見かけるようになった。外国人旅行者にとっては、高い日本の宿代が浮くからメリットが大きいのだろう。悪いことではないとは思うが、2~3000円の料金は取ってもいいように思う。ユーレイルパスでも、寝台は追加料金が必要である。
車両は14系と24系25型の混結だった。14系が昭和62年の土崎工場製、24系が昭和55年の富士重工製の銘板がある。
洗面台。ちょっと懐かしい雰囲気。

そしてベッドメイクをして横になる。
夜中に、何度か揺れで目が覚める。やはり夜行列車は、あまり深くは寝れない。が、浅い眠りであっても、朝はすぐ訪れる。
朝の放送が鳴り響いたのが、午前5時前の、苫小牧到着前。早い。うつらうつらしながら、南千歳を過ぎたあたりで、起きる。まだ暗い。寒い中、洗面を済ませると、もう札幌市内であった。
定刻6時07分、札幌着。先頭は函館からディーゼル機関車に変わっていた。
寝台急行「昭和」行