外国人都市・倶知安2010(2010冬北海道&東日本パス旅行記7)

北海道の地方都市を訪れると、ほとんど例外なく、ゴーストタウンの商店街に出会い、その衰退ぶりに目を覆いたくなる。とくにひどかったのが釧路で、その様子は「釧路ゴーストタウン」に書いた。

その北海道で、唯一といっていい経済が好調な町がある。倶知安だ。2006年には、地価上昇率日本一にもなった。北海道の山あいの、人口わずか1万5000人ほどの町が日本一の地価上昇率なのである。

理由はよく知られているとおり、ニセコスキー場界隈の不動産を外国人、とくにオーストラリア人が競って購入しているからである。

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ニセコは確かに素晴らしいスキー場だし、それが世界的なリゾートになるのは悪いことではない。でも、「倶知安が地価上昇日本一」などと言われると、なぜあの小さな町が?と苦笑したくもなる。

それで今回、列車待ちの1時間ほどだが、駅前から市内を歩いてみた。

たしかに、他の道内の町とは雰囲気が違う。寂れた感がないのである。

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しょせんは人口1万5000人の町だから、賑やかではない。しかし、商店街ではシャッターを降ろしていない店も多い。これは、北海道の地方都市ではかなり珍しい。

飲食店街に行ってみる。昼間だから営業している店は少ないが、それでも寂れてはいない。夜には開きそうな店ばかりである。飲食店街の規模は小さいが、寂寥感はない。

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町を歩いていると、外国人とよくすれ違う。倶知安町の外国人登録者数は500人あまりで、人口の3%ほどにすぎない。が、成人に限っていえば、日本人と同じくらいの割合ですれ違う。18歳以上の日本人は基本的にはクルマで移動するから、町を歩かないからだろうが、それにしても外国人が多い。そのほとんどは観光客と思われるので、定住者とあわせれば、冬の倶知安の外国人比率はかなり高いのではないかと思う。

本屋に入ると、小さいながらも洋書コーナーまである。もっとも3分の1は村上春樹だったが。

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バス停も英語が書かれている。というか、英語のほうが日本語より大きい。こんなローカルな土地で、これほど英語表記が充実しているのは、それだけ外国人が多いからだろう。

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惜しむらくは、鉄道が不便なことである。倶知安から札幌への直通の定期列車はない。千歳空港から直通特急で倶知安まで観光客を運べればいいのに、と考えるが、現状ではそこまでの需要はまだないようだ。

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もしそうなれば、函館本線の山線も、往時のにぎわいを取り戻せるのだが。

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