NHK・BSの天気予報には、那覇、石垣島と並んで、南大東島が表示される。
これがずいぶん前から気になっていた。
那覇からも八重山列島(石垣島)からも独立した天気予報が報じられる南大東島とは、いったいどんな海の果てにあるのだろうか?と。
もう一つ、南大東島は、鉄道好きには「シュガートレイン」でも知られている。サトウキビ輸送を目的として、島じゅうに軽便鉄道が張り巡らされていたのである。このシュガートレインは1980年代に廃止されてしまったが、「南の島のサトウキビ列車」として、知る人ぞ知る存在であった。宮脇俊三氏も、1997年にこの廃線跡を訪れている。
そういうことで、僕も永らく行く機会をうかがっていた。
だが、南大東島は遠い。
那覇の東方390キロに位置し、東京からだと那覇経由で2000キロ近くにもなる。那覇からの飛行機は1日1~2便のみで、混雑していて座席が取りにくい上に運賃が高い。パッケージツアーもほとんど設定されてないし、格安運賃もほとんどなく、正規料金を支払えば那覇~南大東島だけで往復45200円もする。実質的に東京~那覇よりも高い。そういうわけで、なかなか足が向かなかったのである。
ところが、昨年から、沖縄県で「小規模離島航空路利用活性化事業」というのがはじまった。離島への航空運賃を補助するというもので、この措置により昨年10月から往復運賃が31600円になった。正規運賃よりも3割以上安くなったのである。この特別措置は今年の3月26日までの設定なので、この機会に行ってみよう、と思い立ったのである。
(なお、3月末までというのは、県の予算の関係であり、実際は4月以降も継続される見込みだそうだ)。
が、金銭の問題を抜きにしても、やはり南大東島は遠い。
那覇-南大東へのフライトは1日1~2便しかない。毎日運行の午前10時15分の便に乗るには、羽田を午前6時台の便に乗らなければならないが、世田谷の自宅からだとタクシーを使わなければ間に合わない。午後便は那覇を14時10分に出て、これなら羽田発午前10時台のフライトで間に合うが、あいにく月金土日しか運航しない。そして午後便はとくに席が取りにくい。そんなわけで、自分の都合と時間を検討した結果、羽田を夕方に出る便で那覇に入って1泊することにした。那覇までは1泊付きのパッケージツアーを使えば安く行けるので、この点からも那覇1泊は都合がいい。
じつに、東京から南大東島まで19時間。飛行機を使った国内旅行で、これだけの時間がかかる土地があるのだから、日本は結構広い、と思う。
南大東島の人と自然