ゆいレール(2011沖縄・南大東島旅行記2)

那覇空港-首里 12.9km

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東京・羽田を16時発のJAL925便で那覇へ。到着は18時50分。3時間近くもかかるのだなあ、と改めて那覇の遠さを実感する。

季節は2月中旬。東京は寒かったが、さすがに那覇は暖かい。

ゆいレールで、ホテルのあるおもろまちに向かう。ゆいレール自体は数年前に全線乗ったので、今回は全部は乗らない。

久しぶりに乗ってみたが、始発の那覇空港からでも空港利用客で満席になっていて、座れない。夜の帰宅ラッシュの時間帯で、途中から大混雑したらイヤだな、と思う。しかし、その後乗客はそれほど増えず、結局おもろまちまで、すし詰めにはならなかった。もちろん混雑はしていたが、田園都市線の混雑に慣れた身からすれば、「空いている」に入る範疇である。乗客としてはいいことだが、経営としてはどうなのだろうか、と思う。なにしろ、ゆいレールはたったの2両編成で、しかもラッシュ時でも10~12分毎にしか走っていないのである。

ゆいレールの経営は芳しくない。運営する沖縄都市モノレールが2006年に策定した中長期計画では、11年度の1日乗客数は4万2000人に達する見込みだったが、乗客数は伸び悩み、目標を下方修正したという。10年度の乗客目標は1日3万7000人とされたが、それも達成されるかは微妙なようだ。

沖縄都市モノレールの2009年度決算を見ると、営業収益は23億7600万円で前年度比6・3%減、累積赤字は107億円で債務超過額は33億5800万円に達する。経営改善のため2010年2月に運賃が値上げされたが、それでも単年度黒字化は当分達成できないのだという。

しかし、なぜ那覇くらいの規模の都市で、モノレール程度の経営に苦戦するのかは、疑問でもある。

那覇市の人口密度は8050人/と非常に高く、これは福岡市の倍である。人口密度からすれば地下鉄が運営できるほどの高さで、モノレール1路線の経営が成り立たないとは思えない。路線形状は素晴らしいとはいえないが、利用しづらいというものでもないように思える。たとえば千葉都市モノレールのような、手に負えないような路線形状ならともかく、ゆいレールの路線形状はそんなに悪くない。

同決算をみると、減価償却費が15億円もかかっていて、営業収益に対して負担が重すぎることがわかる。逆にいえば、建設費用の負担がなければ、営業黒字を維持できている状態であるともいえる。したがって、赤字垂れ流し路線というわけではない。ここに、一筋の光明が見える。

要するに、上下分離して、建設費をすべて税金でまかってさえいれば、十分黒字経営なのである。ならば、そうすればよいと思う。現実に、道路はすべて税金で作られている。都市モノレールのような公益性の高い事業を、すべて事業者・利用者負担にするのは、そろそろやめてもいいのではないか。

ただ、小さなモノレール2両編成がラッシュ時でもそれほど混雑しない状態を見ていると、ゆいレールはまだまだ地元に根付いていないのではないか、とも思わざるをえない。那覇空港で席が埋まるのだから、観光客はそれなりに乗っているのだろうが、地元民が使うには不便な点があるのかもしれない。外野の目から見れば、それは速度の遅さと、駅への導線の悪さではないかと思う。速度の遅さは改善不可能なので、せめて駅への導線を改善して、バスからの乗換えや、近隣施設からの利用を便利にすれば、乗客は増えてくるのではないだろうか。

モノレールと新交通システム
沖縄軽便鉄道

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