三陸鉄道南リアス線をたどる。三陸自動車道で山中を迂回して、まずは三陸駅へ。
三陸駅周辺の集落は越喜来というが、津波でほぼ壊滅している。南リアス線は、このあたりでは高台を走っていて、なんとか数メートルの差で津波被害を免れた様子だ。三陸駅も無事である。


鉄道高架のすぐ近くまで浸水しているので、文字通り間一髪である。駅施設はそれほど大きな被害は見えない。
越喜来から、南へ進む。隣の集落の泊周辺では、南リアス線は海の近くを通る。ここでは線路は高さ5メートルほどの築堤を走るが、津波はその上を楽々と乗り越えたようだ。

築堤に登ってみると、ごらんの通り、道床は流され跡形もない。流されたレールが力無く横に垂れている。築堤が形状をとどめたのは幸いだが、これでは修復に途方もない労力がかかる。

川を横切るPC橋と築堤の継ぎ目には段差が生じてしまっている。地盤沈下が発生して、築堤が沈んでしまったようだ。

ただ、PC橋は、津波に耐えて元の形状を保っている。近くの防潮堤は鉄筋もろともちぎられていたので、それに比べると鉄道橋の頑丈さがわかる。