陸前高田駅 (東日本大震災・鉄道の津波被災を追う11)

 今回取材した中で、もっとも被害が激しかったのが、陸前高田市である。大船渡市から三陸自動車道経由で街にはいると、その景観は壮絶すぎて息が止まる。街が丸ごと失われているのである。

大船渡市や石巻市は、無事なエリアと被災エリアの差に愕然としたが、陸前高田にはそういう区別はほとんどない。都市がほぼすべて津波に沈んでいる。津波の高さが、他の街とは段違いに高かったようで、ビルの4階くらいまで水に埋まったようだ。水勢も強かったようで、鉄筋コンクリートの建造物が跡形もなかったり、鉄骨がひしゃげたりしている。

 最初に陸前高田に来たのは、20年くらい前だと思う。駅から歩いて高田松原を見に行って、松並木の重厚さに感心したものである。が、津波で松の木は1本をのぞいてすべて流されている。

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 高田松原のあった公園は、今はがれき置き場として使われている。

 クルマを降りてみると、風がものすごく強い。遮るもののない荒野になってしまっているので、海風が容赦なく吹き荒れる。瓦礫の砂埃を舞い上げるので、マスクなしではいられない。

 陸前高田市の過去の風景を見られるサイトは案外少ないが、たとえばこのサイトで見ることができる。

http://d.hatena.ne.jp/ettie/20060505/1146837298

 しかし、現状ではそれはとても想像できない。

 現在の陸前高田駅。ホームと線路の残骸が残るのみである。
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 言葉が出ない。

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