長崎市内の教会群(長崎世界遺産候補地旅行記8)

軍艦島はおしまいで、続いて「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の候補地(暫定リスト入り関連遺産)を見て回る。

といっても、厳密に世界遺産候補地のみを見て回るのも興趣がないので、候補地以外のものを含めて訪れていく。最初は神ノ島教会である。
長崎教会1

神ノ島教会は、長崎市街からバスで40分ほどの郊外にある。1897年竣工の白亜の教会だ。構造は煉瓦造で、長崎県内で4番目に古い教会だという。

神の島1丁目でバスを降り、海岸に沿って歩いていくと高台の上に教会が見えてくる。周囲はひなびた漁村なのだが、教会はそこに君臨するようにそそり立っている。

神ノ島は、かつて離島だった。江戸初期に禁教令が出たときに、多くのキリシタンが迫害を逃れて移り住んだという。戦後埋め立てられて陸続きになってしまったが、海に突き出た風の強い土地である。

正面の八角ドーム屋根の大きな鐘塔が印象的だ。内部に入ると、ここが日本であることを一瞬忘れるような、カトリックの世界であった。

これだけの建物が、明治時代の小さな島に作られたというのは、まったく驚く。

軍艦島や五島列島へ向かう船からも見ることができる。
長崎教会2

長崎市内にあるとは思えないほど、静かな時が流れている場所でもあった。



続いて、浦上天主堂へ。浦上地区は長崎県の中でもキリスト教の一大中心地だったところだ。路面電車(長崎電軌)の松山町電停で降り、商店街を歩いていくとその先に偉容が見えてくる。
長崎教会4

でかい。神ノ島教会とは比較にならない大きさである。丘の上に立っていることもあり、下の道路からだと見上げるかのようである。
長崎教会3

外観は美しい煉瓦だが、建築は鉄筋コンクリートである。もともとは1914年の竣工で、戦前は東洋一の教会施設とも言われたが、原爆で当時の建物は失われてしまったため、戦後1959年に再建された。そのため、現在の煉瓦は、外壁に貼り付けた装飾のようである。

これだけ新しいRC構造の建築物だが、ここも世界遺産候補の関連遺産の一つである。浦上地区は日本のキリスト教において聖地ともいえる位置づけで、天主堂はそれを象徴する建物だからであろう。また、被曝による破壊という歴史的経緯も、考慮点なのかもしれない。もし指定されれば、日本で最も新しい建築の世界遺産になるかもしれない。

内部はステンドグラスの光が差し込み美しい。それを写真に収めたいと思うが、内部は撮影禁止である。一般に、長崎の教会では、どこも内部の写真撮影は禁止されている。ヨーロッパの観光地の教会では、フラッシュをたかなければ写真を撮影できる場所が多い。日本においても、ノーフラッシュ撮影くらいは解禁してほしいところだ。

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