3日目の車窓は単調だ。中西部の穀倉地帯をひたすら横断する。

速度は速いが、単線なので交換でよく停まる。旅客列車は1日1往復しかないはずだが、貨物列車は頻繁に走っているので、ほとんどが貨物との交換である。
予定では、今日の14時50分にシカゴに到着する。そのため、朝ご飯が終わってまもなく、昼ご飯の準備が始まり、「11時30分までに食堂に来てほしい」とのアナウンス。朝食は8時に食べたばかりである。あまりにあわただしい。
もちろん、食事は無料だから、食べに行く。しかし、停車した駅の時刻表と見比べると、昨夜のうちに2時間の遅れが生じている。このまま走ればシカゴ到着は17時頃だから、本当はもう少し遅めの昼食にしたい。しかし、そういうことは勘案されないようで、すべては時刻表通りに進んでいく。
これが最後の昼食のスープ。具が重いので、これとパンだけで十分ごはんになる。

列車はよく停まり、遅れは増幅していく。最初は何でそんなに停まるのかわからなかったが、やがてアナウンスが入り、理由がわかった。いわく、昨夜まで大雨があり、ミシシッピ川Mississippi Riverが増水していたのが原因だそう。
ミシシッピ川にかかる橋は可動橋で、船の通行時には、鉄道は通行止めになる。昨日までの増水の影響で船の通行が多すぎて、列車がなかなか通れない。そのため、列車がつかえて、渋滞しているのだという。
後で調べると、この橋はバーリントン鉄道橋Burlington Bridgeといい、船が川を通行するときに桁部分が回転する構造になっているそうだ。かなり珍しい構造である。
3時間ほど遅れて、手前の町バーリントンBurlingtonに到着する。

ここで、交換待ちをして、ようやく出発。すぐにバーリントン鉄道橋が見えてきた。


水面すれすれを走る。

この橋は150年前にかけら多そうだが、よくこんな古くさい橋が、可動橋としていまも動いていることに驚く。ローカル線ならともかく、アメリカ横断の幹線鉄道なのに、である。
ただ、新しい橋も建設してる様子だ。

これができれば、複線化され、ネックは解消されるのだろうか。
バーリントン鉄道橋を渡ると、嘘のように列車は快調に走り出した。