ボルチモア・アンド・オハイオ鉄道博物館B&O Railroad Museum(2011年アメリカ東海岸旅行記2)

アメリカ東海岸には、「世界でもっとも貴重な鉄道遺産の集積」といわれる博物館がある。それがボルチモア・アンド・オハイオ鉄道博物館B&O Railroad Museumである。長いので、以下ボルチモア鉄道博物館と略す。

ボルチモアは、ワシントンから電車で1時間ほどの距離にあるので、日帰りが可能だ。ワシントンの博物館群も悪くないが、「世界でもっとも貴重」などという博物館が電車で1時間の距離にあるならば、訪れなければなるまい。

ワシントン滞在3日目に、ワシントン・ユニオン駅からMARCという郊外電車に乗る。
ボルチモア1

1時間ほどでボルチモア着。ここで、MTAというライトレールに乗り換える。
ボルチモア2

このライトレール、市内電車なのに30分に1本しか走っていない。ボルチモア鉄道駅の路線が枝線にあたっているためだ。
ボルチモア3

高速鉄道の駅の端っこから、出発。高架橋で道路を乗り越えて、ライトレールの本線に合流。本線は、ほとんどが路面区間である。

Centre Streetで降りる。Centreが、イギリス綴りなのがレトロだなあ。
ボルチモア4

ここから10番のバスに乗り、5分ほど走ると、バスの左窓に博物館が見えた。次のバス停で降りたが、2ブロックほど行き過ぎてしまった。そのくらいは歩けばいいのだが、バスを降りた瞬間「やばい」と身構える。治安の悪そうな空気が漂っていたからだ。人通りが少なく、軒先に所在なげに座っている人も見かける。

なるべく道路の真ん中を急ぎ足で2ブロック戻り、やっと博物館着。
ボルチモア5

この博物館は、アメリカ合衆国で最も古い鉄道施設である。1830年に、アメリカで初めての旅客鉄道路線であるボルチモア・アンド・オハイオ鉄道が開業した場所で、日本なら新橋のようなものだ。博物館は開業前年に作られた扇形庫を使用しているので、1929年の建築である。扇形庫は、柔らかな角を持つ美しい建物だ。
ボルチモア8

内部に入る。扇形庫は、合衆国の国旗だらけで、中心にでんと機関車が。1863年に作られた10輪の機関車である。

その回りを、別の機関車や客車がぐるりと置いてある。この様子は壮観。
ボルチモア13

客車もあり、内部に入れるものも。
ボルチモア6

外部には、さらに大型のディーゼル機関車なども展示してある。

いちばんすごいと思ったのが、490 Hudsonといわれる黄色とステンレスの機関車。これ、蒸気機関車である。そうはみえない。1926年製。
ボルチモア7

第二次大戦時の兵員輸送車の車内。日本の同様の車両に比べると、アメリカの軍人は快適そうだなあ、と思う。
ボルチモア10

しかし、こうやって運ばれた人もいるみたいなので、寝台を使えたのは下士官以上かもしれない。そういう説明はなかったが。
ボルチモア14

いろんな鉄道車両が置いてあって、それなりに興味深い博物館である。

……が、「世界でもっとも貴重な鉄道遺産の集積」といえるほどのものはない。基本的には、「ボルチモア&オハイオ鉄道」という一鉄道会社の博物館だからである。
ボルチモア11

一鉄道会社の博物館なので、世界中の車両を集めたイギリス・ヨークの鉄道博物館に比べると、二段くらい落ちる。特に見たいものがないのなら、治安の悪いこのエリアまで、わざわざ来るほどでもない。

屋外に置かれた鉄道模型。Oゲージのようだ。
ボルチモア9

これも、シカゴの科学産業博物館のほうがすごかった気がする。

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