
日本には数多くの模造天守閣があるが、その多くは鉄筋コンクリート製で、外観を模しているだけである。伝統的工法を用いた木造による本格的な復元天守閣は、日本で過去4件しか例がない。掛川城・白河小峰城・白石城・大洲城である。
そのうちの一つ、白石城に行ってみた。松山人車軌道を見た帰途のことである。
東北本線白石駅で下車。衰退している駅前通を抜けて、15分ほど歩けば城に着くことができる。
白石城の起源は鎌倉時代にさかのぼるようだが、本格的城郭が建築されたのは1591年で、蒲生氏郷によってである。その後、上杉領を経て伊達領となり明治維新を迎え破却された。木造による復元が1995年で、復元されたのは、本丸内にあった三階櫓(天守閣)と大手一ノ御門、ニノ御門、土塀である。

外壁は、8寸(約24センチ)の厚さに19工程を要する土壁塗り。

瓦は、発掘されたものを忠実に再現したものが使われている。
内部に入る。
柱は檜、床は青森ヒバ、梁には松が使われている。日本古来の木組みである。

建築後15年以上を経ているが、まだまだ新築の趣がする。
天守閣の最上層。20畳くらいの広さだろうか。

欄干からは、白石の街が望める。残念ながら、あまり活気はない。

週末だというのに、観光客は少なかった。もともと少ないのか、震災の影響かはわからない。