美味しいカニ料理の宿の探し方はあるか(2012年サンライズ松葉がに紀行8)

山陰は松葉ガニの産地で、カニ料理を名物とする旅館や民宿が無数にある。しかし、そのなかから、本当に美味しいカニ料理を出す宿を探し出すのは、意外と難しい。

カニを食べる上で何よりも大事なのは、水揚げされて間もない活きたカニかどうか、である。そのほかに大きさとか色とか等級とかいろいろ判断基準はあると思うけれど、海産物である以上、何より重要なのは鮮度である。

新鮮で良質な活カニは値段もそれなりにする。したがって、安い値段ではおいしいカニは期待できない。しかし、高い宿だからといって良いカニを食べられるとも限らない。それが「カニ宿選び」の難しいところで、決定的な見分け方は正直なところ存在しないと思う。

あえて言えば、「激安カニツアー」に参加しているような宿は避けた方が良い、と個人的には思う。良心的な宿は外国産の冷凍ガニを出さないし、外国産の冷凍ガニを出さなければ「激安」のカニ料理など提供できないからである。

さて、今回、香住(香美町)で泊まる宿は民宿Mである。

いかにも漁師町の古い民家、という建物。ただ、泊まるのは隣に建てられた新館で、こちらは現代的できれいである。古い民家が母屋で、食事をするときにだけ世話になる。
まつのや1


そして、ここのカニ料理はとにかく美味しい。

カニなんてどこも同じだろう、と思っていたけれど、ここで初めてカニ刺を食べたときの美味しさは衝撃的だった。甘くて、口の中で溶けていくような感覚。今まで食べていたカニとは何だったのか?と考え込むくらいショックを受けた。
まつのや3

こちらはかにすき。
まつのや2

その後も、日本海側や北海道を訪れたらカニを食べてはみたけれど、民宿Mに勝るカニを食べたことはない。自分にとっては、ベスト・オブ・カニ料理が香住の民宿Mである。

もっとも、民宿Mが特別なルートでカニを仕入れているわけではないだろう。ならば、香住のカニが特別に美味しいのだろうか。

そう思って調べてみると、香住(香美町)で獲れる松葉ガニは、普通のベニズワイガニである。ズワイガニは主に深海に棲息するので、沿岸での漁獲は少なく、たいていは沖あいで漁獲されるという。つまり、香住の松葉ガニも、他の地域のズワイガニも、おそらくは日本海の沖で漁獲されている。ならば、論理的に考えて、香住のカニだけが特別であるという理由は見あたらない。

ただし、香住は日本屈指のカニの水揚げを誇る町なので、良いカニを探しやすい、という事情はあるかもしれない。水揚げ量が多ければ、良質な松葉ガニを手に入れやすくなり、きちんとした目利きがいれば、鮮度の高い良質なカニをいつでも食べられる、ということになる。

となると、良質なカニを出す宿というのは、宿主がカニを見る目があるかどうか、そして良心的かどうかでほぼ決まるのないか、と思う。きちんとした活き松葉カニを合理的な価格で提供する宿が良心的といえる。その意味では、民宿Mは良心的で、鮮度の高い活き松葉ガニを手頃な値段で、食べきれないほど出してくれる。

くどくど書いてしまったけれど、活松葉ガニは本当に美味しいので、ぜひ多くの人に食べて欲しい。

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