BS朝日の日中共同制作番組「はるかなるシルクロード鉄道」はなかなかよかった。出演は俳優の速水もこみち。
西安からウルムチまでの旅で、途中、蘭州、嘉峪関、敦煌、トルファンと立ち寄る。シルクロードのゴールデン観光ルートなのだけれど、そんなベーシックな旅をオーソドックスな構成でまとめていた。

(写真はBS朝日ホームページより)
僕がこのルートを旅したのは1988年。もう20年以上も前だ。映像から見られる町並みは、あまりにも昔と違うけれど、それもおもしろかった。
驚いたのは、全部の列車がそれほど混雑していないこと。いまの中国の列車は、そんなに混まないのだろうか? 嘉峪関から敦煌に行く列車など、ほとんど乗客がいなかったけれど、そんなことが中国であるのだろうか、と思った。あるいは、敦煌への支線は最近できたばかりで不便だと聞くので、みんなバスに乗るのかもしれない。
また、電化区間も相当伸びているようで、トルファンの駅にも架線柱が設置されていた。架線はまだだけれど、近々ウルムチまで全線電化されるのだろうな、と思う。僕は蒸気機関車の牽引でゴビ砂漠を横断したが、もちろん蒸気機関車は中国でもすでにほとんど引退している。
出演は俳優の速水もこみち。嫌みなく好演していたと思う。ただ、最後のほうはかなり疲れていたご様子。列車に乗り続けるロケは、慣れない人には結構しんどいのだろうな。撮影は2週間かけたということだが、普通に旅をしてもそのくらいはかかる行程なので、かなり忙しかったと思う。

民放が旅番組を作ると、妙にタレントを全面に押し出したり、感動を無理に押しつけるようなものになりがちだけれど、そういうことはなかった。若干演出に不自然なところもあったけれど、許容範囲だと思う。