りんくうタウンでの宿は、「スカイゲイトホテル関西エアポート」である。かつての「全日空ゲートタワーホテル大阪」の建物であるが、ビルを運営する第三セクターが経営破綻した後、全日空は運営から手を引いている。
全日空ゲートタワーホテルといえば、関西空港対岸のランドマーク的建物で、その昔は関西人憧れの高級ホテルだった。そんなホテルを、僕は楽天トラベルでぴっぴと9000円で予約した。時代の移り変わりとはいえ、残酷なものである。
がらんとした無人のロビーでチェックインし、通されたのはツインルームである。50平米くらいはありそうな広い部屋で、セミスイートと言ってもいい。「きゃーすごいー(はあと)」などといってくれる同行者でもいれば素敵なのだが、あいにく一人旅である。42歳の男には広すぎる。

窓の外には、関西空港から大阪湾の夜景が広がる。

これだけの素晴らしい部屋ならば、いろんな人のいろんな思い出になったのだろうと思う。が、1人で泊まるには落ち着かず、あまり深く眠れなかった。いろんな人の念が部屋に残っていたからかも知れない。
朝食は最上階のレストランである。これも10年前には高級レストランだったようだけれど、現在の客はほとんどが中国人の団体客である。

大げさでなく、日本人は1割もいなかった。「春節なので、中国人の方が多いのです」とスタッフは説明するけれど、それにしても日本人が少ない。なんだか上海の郊外にいるような気分であった。