冬の「日本海」出発準備(2012年さよなら寝台特急「日本海」旅行記6)

冬季に「日本海」に乗るにあたっては、注意点がある。天候である。冬の日本海側はよく荒れる。「日本海」は走行距離が長いので、福井から青森までの日本海側のどこかが荒れて、線路が寸断されれば運休である。そのため、冬季は運休がとても多い。正確な資料はないが、運転率はたぶん8割程度だと思う。
日本海6

そのため、できれば天候を確認してから寝台券を取りたいところである。しかし、廃止が決定されてからというもの、寝台券は売れるのが早く、直前では下段が確保できなくなる可能性がある。寝台車は下段に乗ると楽しい「旅」になるが、上段では「運ばれるだけ」になってしまう。下段を確保するためには、少し早めに寝台券を買っておく必要がある。

それで1週間ほど前に寝台券を確保したのだが、僕が乗車を予定していた1月24日の天候は微妙であった。前夜に東京に雪が降るほどの寒波がやってきていて、大阪の朝も寒かった。今夜の天気が荒れ模様なら、「日本海」は運休の可能性はある。そう心配しながら大阪駅にきて確認すると、今夜は運行する、ということで、ほっとする。

乗車前に準備しておくことは、食べ物である。「日本海」は青森まで14時間58分かかる。しかし、食堂車の連結もなく、車内販売すらない。そのため、夕食と朝食の二食分を大阪駅の大丸の地下で買っておく。

「日本海」の寝台にはコンセントもない。だから携帯電話の充電もすませておく必要があり、これは地下街のドコモショップの充電コーナーにしばらくの間、預けておく。カギをかけておけば盗まれる心配もない。

「日本海」にはシャワーもない。夏ならば、大阪駅近くのサウナで一風呂浴びてから乗車したいところだが、今は寒い時期なので我慢する。湯冷めするのは怖い。

そうして準備を整えて、大阪駅のホームに登る。ホームの端にはすでに多数の鉄道ファンがカメラを構えて待ちかまえている。そこに、「日本海」が速度をぎりぎりまで落として入線してきた。シャッター音が響き渡る。
日本海4

電気機関車にヘッドマークを付けた姿は、なんだか懐かしい。
日本海5

10両編成で、僕は3号車のB寝台禁煙席の下段である。本当はA寝台に乗りたかったけれど、これは売り切れていた。日本海のA寝台は「開放型A寝台」といわれるもので、個室型ではない最後のA寝台である。「日本海」の廃止とともに開放型A寝台も姿を消すので、人気が高く発売直後に売れてしまう。開放型A寝台自体は乗ったことがあるし、正直それほど素晴らしいとも思わないので、これはあきらめがつく。

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