三沢駅と通勤型車両(2012年さよなら十和田観光電鉄旅行記2)

青森駅から青い森鉄道に乗って、三沢までは1時間あまりである。この区間は、2010年の東北新幹線新青森開業によって、第三セクター化された。第三セクターといっても、株主の8割が自治体、残りの2割もほとんどが地元銀行や電力会社の出資で、事実上の公営企業である。
十和田1

10時42分の普通列車に乗る。平日昼間の列車で、2両編成の座席は3割くらい埋まっていた。車両は701系といって、JR東日本が東北地方で使っている車両と全く同じである。外が寒すぎるからか、窓ガラスは白く曇り、景色はほとんど楽しめない。

11時51分三沢着。三沢駅は高架駅舎になっていて新しい。高架橋を降りて、駅前広場の片隅に、ネズミ色のコンクリートの古くさい建物がある。それが十和田観光電鉄の三沢駅だ。
十和田3

ドアを開けて内部に入ると、むき出しのモルタルにベニア板の内装が打ち付けられたりしている。昭和40年代くらいならこういう建物が多かったのではないか、という気がする。懐かしいか、と問われたら、そんな幼い頃の話は覚えていない。

念のために書くが、下の写真は駅舎内の通路で、青い森鉄道との連絡している。
十和田5

細長い駅舎の一番奥に出札所があり、そのさらに奥がホームである。待合室には人の出入りがあるが、そのほとんどは駅舎内にある蕎麦屋の客である。蕎麦屋だけでも繁盛しているようでよかった。
十和田2

少し待って、12時18分の列車に乗る。乗客は7人ほどで、そのうちの3人が鉄道ファンの観光客である。まともな客は4人だけのようだ。車両は1964年に製造された東急の7700系。ほとんど半世紀前の車両なのだけれど、その割に内部はきれいで、今時の通勤電車風である。東京の新型車両に比べたら古いと思うけれど、三沢駅舎に比べたら、ひっくり返るくらい近代的な車両である。
十和田4

が、しかし、くどいようだが、これで「観光鉄道」はないんじゃないか。どう考えても「十和田通勤通学鉄道」である。最初に社名を付けた人も、今の姿を見ていたら考え直しただろう。

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