カシオペアの夢(2012年JR全線完乗「カシオペア」の旅2)

「カシオペア」は、寝台特急の最後の可能性に賭けた列車である。運行開始は1999年。オールA寝台個室の豪華寝台列車というコンセプトで、JR東日本が新型の客車を製造し、上野-札幌間に投入した。当時、寝台特急の斜陽は明らかで、生き残るとすれば個室寝台型で贅沢な空間を演出するしかない。そんな望みをつなぐ列車だった。もし、この列車が成功すれば、21世紀の寝台列車のスタンダードになる。そんな期待をする人もいたらしい。

カシオペア1

その期待に応えて、「カシオペア」の人気は高く、日本で最も指定券の取りにくい列車のひとつとなった。ただ残念ながら、21世紀の寝台列車のスタンダードにはなれなかった。その理由はいくつかあるが、乗ればわかることなので、後で書く。

人気を聞いて僕も乗ってみたくなったが、指定券をかなり前から確保しないと乗れないのであきらめていた。個人の性格の話で恐縮なのだけれど、僕は基本的に行き当たりばったりが好きで(人生も行き当たりばったりだ)、先の予約をするのは嫌いである。だから、これまでも思いついたその日か、せいぜい数日後に乗れる列車ばかりを使う旅をしてきた。そのため、1ヶ月先の切符の手配してまで乗ろうという気が起きなかった。

が、「寝台車乗りまくり」の旅を始めたので、「カシオペア」を避けるわけにはいかない。まして、全線完乗の記念すべき旅である。僕は列車出発の1ヶ月前、寝台券の発売初日の午前10時に渋谷駅に行って、「カシオペア」のチケットを購入した。できれば大人気の展望室の「カシオペアスイート」に乗りたかったが、これは取れなかった。渋谷駅のような大きな駅では、「事前予約」が優先されるので、10時に行ってもすぐにはマルスを打ってくれないのである。これは、僕は初めて知った。もし、「カシオペアスイート」を狙うなら、「事前予約」を受け付けていない小さな駅の窓口に行って、10時きっかりに打ってもらったほうがいいようだ。

ちなみに、発売日の翌日には、僕が欲しかった「カシオペアスイート」のチケットがヤフーオークションで売られていた。こういうチケットを購入して転売する「プロ」がいるようで、素人はとても敵わない。

が、それでも「カシオペアツイン」という、普通の個室寝台のチケットは簡単に購入できた。ただ、「カシオペアツイン」ならば、直前でもわりと購入できるので、無理に1ヶ月前に買う必要はない。

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