「カシオペアツイン」は狭かった(2012年JR全線完乗「カシオペア」の旅4)

僕の個室は、10号車の1階である。1階か2階かは気にしていなかったが、入ってみると洞窟に潜るような感じがする。内部も思っていたよりも狭い。天井が圧迫されていて、なんだか地底湖のようである。2つのベッドが直角に配置されていて、ベッドをしつらえたら足の踏み場もなくなるような広さだった。部屋には小さなトイレと洗面台が付いているが、シャワーはない。

カシオペア3

アメリカの「カリフォルニア・ゼファー号」の「デラックス・スリーパー」に乗ったときは、カシオペアよりも狭いトイレにシャワーが付いていた。シャワーを浴びながらトイレをすますことができるような構造である。そういう構造にすれば、「カシオペア」だって全個室にシャワーを設置できるはずだ。A寝台の個室なのにシャワーもない現状はとても切ないので、ぜひやってほしい。今さら無理そうだけれど。

アムトラックの「デラックスリーパー」の動画。2分20秒ころにシャワー室映像あり。

入線は17時10分で、出発が17時38分。ふだんと違い、入線から出発まで時間がたっぷりあった。どうやら、団体臨時列車のスジにあわせているようである。上野駅の地上ホームから、這い出るようにゆっくりと発車する。出発してからも順調で、快調に東北本線を北上する。

「カシオペア」は12両編成で、先頭の12号車がラウンジカーというパブリックスペースになっている。ここはなかなか洗練された雰囲気で、座り心地のいい椅子があり、展望もよい。地底湖みたいな個室にいるより快適かもしれない。

カシオペア4

得てして、こういうスペースは行儀の悪い鉄道ファンに占拠されてしまいがちである。座ったまま動かない根の生えた人が、ずうっと「特等席」にいついてしまうのである。しかし、「カシオペア」に限っては、そういうことはなかった。一番先頭の「特等席」には、乗客たちがしばらく座ったら席を空けて、交代で着席している。「カシオペア」の鉄道ファンは、ずいぶん行儀が良い。

「カシオペア」には、2人用客室しか設置されていない。そのため、一人客はほとんどいない。鉄道ファンといえども行儀の悪い人ばかりではないし、まして家族や友人との旅行になれば節度をわきまえる。お互い譲り合っている鉄道ファンの姿は新鮮で、何か新しい地平を見た気すらした。とまで書くと、ちょっと大げさか。

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