揺れて揺れて青函トンネル(2012年JR全線完乗「カシオペア」の旅6)

カシオペア8

寝台列車の問題点は、よく眠れないことである。眠れない原因はよく揺れるからだ。日本で最新のブルートレインである「カシオペア」でも、それは変わらない。

郡山を20時42分に発車。定刻より、1時間30分ほどの遅れはそのままだ。外は雪景色になり、雪煙を巻き上げながら列車は進んでいく。することもないのでベッドに横になると、座っているときには気にならなかった揺れを感じる。とくに1階室だからか、台車の揺れをダイレクトに受けて、「がくがく」とした細かい揺れを感じっぱなしである。

スムーズに走っているときはいいけれど、速度を変えるときは揺れるし、ときどきバラストの小石をはねるとその衝撃がもろに伝わる。ようやくうつらうつらしてきたな…、なんて思っているときに限って、「どん」と激しい異音がし、飛び起きたりする。こうなると深刻に眠れなくなる。

茫洋と目を閉じていると、列車は速度をゆっくり落とした。これまでにない速度の落とし方である。起きあがって外を見ると、青森駅に到着するようであった。午前3時40分。もともと、青森駅では客扱いはしないので、定刻からどのくらい遅れているのかははっきりしない。

青森では、機関車を付け替える。ここまで牽引してきた機関車を切り離す様子が、ラウンジカーから望むことができる。それを見ようとラウンジカーに行くと、僕のほかに2人だけが見物していた。やはり、「カシオペア」には本格的な鉄道ファンは少ない。

通常のダイヤなら、「カシオペア」は青森駅で1時間ほど運転停車をするらしい。しかし、今は遅れているので、機関車付け替え作業を終わると、すぐに発車する。青森駅で向きを変えるので、ラウンジカーは最後尾になり、展望車のようになった。遠くに離れていく青森駅を望むのは情緒があった。

カシオペア9

ところで、本州と北海道を結ぶ寝台特急で残念なのは、深夜に青函トンネルを通過してしまうことだ。僕はせっかくなので青函トンネルにいつ入るのか、と待っていたが、外が暗いので様子がわからず、タイミングがつかめない。ラウンジカーにLED案内板でもあって告知していくれればいいのだが、それもない。この点、昼間にこの区間を走る特急は、LEDで「ただいま、青函トンネルに入りました」と教えてくれるので、親切である。

青森を発車して、だいたい40~50分でトンネル突入、というのは知っているので、それを待ってみるが、結局、いつ突入したかはわからずじまいだった。いつの間にか、長いトンネルに入っていた感じである。それを確認してから、仮眠する。青函トンネル部分はスラブ軌道で、揺れも少なくバラストをはねたりしないから、眠るには良い。

函館5時58分着。青森の停車時間を削ったおかげで、遅れは1時間ほどに短縮されている。ここで積み込まれた新聞が、各個室に宅配される。北海道新聞であった。他にも、朝食用の駅弁も、ここで積まれた様子である。それにしても、青森駅も函館駅も起きて迎えるとは、自分にとっては誤算である。これでは、今日一日、眠くてしかたがないではないか。

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