立山カルデラと立山砂防工事専用軌道(2012年立山カルデラ旅行記1)



富山県の立山にはカルデラがあります。カルデラとは火口ですから、つまり立山は火山だったのです。といっても、北アルプスの「立山三山」の立山とは別物で、カルデラは立山の南西約15キロの位置にあります。

この「立山カルデラ」を源流とするのが常願寺川で、大雨のたびに土石流と洪水で富山平野に災害をもたらしてきました。その災害を防ぐため、常願寺川の上流部に数多くの砂防堰堤が築かれています。その工事は江戸時代に始まり、現在も続き、完成まではあと百年以上かかる、とも言われています。

工事のための資材、作業員などを運搬するために作られた軽便鉄道が「立山砂防工事専用軌道」(以下、立山砂防軌道)です。軌間は610ミリ。1927年に一部開通し、現在の終点・水谷連絡所まで開通したのが1965年のことです。



この砂防軌道が、鉄道ファンの人気です。延長は18km、起点と終点の標高差は640m。その間にスイッチバックが38カ所もあるのです。これほどの数のスイッチバックを有する鉄道は世界的にもほとんど例がありません。スイッチバックが多いのが優れた鉄道、というわけではありませんが、世界でも希有な鉄道路線であることは事実です。そのため、この鉄道に乗りたい、と考えている鉄道ファンは数多くいます。

けれども、立山砂防軌道の役割は文字通り「工事専用」ですから、一般人は乗ることはできません。しかし、1984年から富山県民に限って見学が可能になり、1998年に立山カルデラ砂防博物館が開館してからは、博物館の主催で見学会が定期的に開催されるようになり、誰でも参加可能になりました。最近は、夏から秋にかけて、毎週水曜日に砂防軌道に乗れる見学会が開催されています。

この見学会は「立山カルデラ砂防体験学習会」と称され、その名の通り「砂防」を「体験学習」するもので「砂防軌道の乗車会」ではありません。しかし、その見学コースに立山砂防軌道の全線が含まれているため、鉄道ファンには高い人気があります。そのためか参加希望者は多く、申込者を対象に抽選が行われます。時期にもよりますが、倍率は2倍~7倍にものぼるようで、なかなかの狭き門です。

筆者はその抽選に当たり、学習会に参加が可能になりました。抽選は高い倍率ですが、数回申し込めばだいたい当たるようです。今回は、そのリポートをお伝えします。

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