縄文杉に入山規制は必要か?(2012年屋久島旅行記16)

縄文杉を訪れる登山者は、年間8万人程度です。シーズンは3月から11月までですので、1日平均で300人弱。多い日は1000人に達する日もあるそうです。

僕が登った日で400人強だったそうですが、それでもところどころ行列や渋滞が起きていました。1000人なんて日は、阿鼻叫喚の大混雑と想像されます。

400人程度の混み具合ならなら許容範囲だと感じましたが、現在検討されている入山制限は1日あたり360人とのこと。このほか、高塚小屋などでの宿泊者が60人。計420人だそうです。僕が歩いた日も、これ以上多いと大変だな、とは感じましたので、現在のシステムなら400人程度が上限、というのは理解できます。

入山規制には、登山道のキャパシティの問題のほか、バイオトイレの処理能力の問題などに理由があるようです。縄文杉登山道沿いには、トイレは2カ所しかありません。そこで全員が用を足すとすれば、400人でも多すぎるかもしれません。そう考えると、入山規制もやむを得ないのかな、と思います。



ただ、縄文杉登山道の混雑の最大の原因は、長すぎるルートにあります。普通の足で往復10時間~11時間かかる道のりですので、荒川登山口での朝の出発は5時半~7時の間に集中します。この1時間半のあいだに、数百人がぞろぞろと狭いルートを往復するのが原因なのです。もし、ルートの距離が半分なら、1日1000人が歩いても、時間が分散されてそれほどの混雑にならないでしょう。

かといってルートを半分にはできません。しかし、途中に山小屋を設けるという方法はあります。そうすれば、宿泊者は日帰り登山者と違う時間に登山道を歩くことができます。現在、縄文杉登山ルートでは縄文杉の先に無人の高塚小屋があるだけですが、たとえば小杉谷に山小屋を設ければ、登山道のキャパシティをその定員分だけ増やすことができます。山小屋は有人にして、富士山の山小屋程度の設備があると誰でも利用しやすいでしょう。

登山道は世界自然遺産に指定されているエリアですし、国立公園内でもあるので、当然、建築物に関する規制は厳しくなっています。とはいえ、自然環境を保護し、ツーリズムと両立させるためならば、簡易な山小屋程度の建築は許されて良いのではないか、と思います。

現状の縄文杉トレッキングは「タイムトライアル」状態です。入山規制もいいのですが、世界遺産の森を歩く道なのですから、もう少しゆったりとした日程が組めるように設備を整えて欲しいものです。

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