世界文化遺産としての富士登山(2012年富士山登山記17)

富士登山には、「登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿」という言葉があります。「日本一高い富士山に一度も登らないというのは馬鹿げたことだ。とはいえ、二度も登るのも馬鹿げたことだ」というような意味でしょう。

なぜ二度登るのが馬鹿げたことなのか、というと、富士登山が退屈なうえに、苦痛だから、ということのようです。富士登山は、荒涼とした斜面を一本調子に登るだけ。数十万人の登山者が7~8月に一気に押し寄せるために、登山路は渋滞し、山小屋では狭いスペースに登山者は押し込まれます。火山なので湧水がなく、それもあって食事はお粗末。天気がよければ眺望はいいけれど、北アルプスのような山岳景観は望めない。つまるところ、登るのにはつらく、しかも退屈な山、というのが登山家たちの意見なのです。



僕自身の感想をいえば、平日に登り天候にもまずまず恵まれたので、つらいとは思わなかったですし、そこそこ楽しかったです。もう一度吉田口から登りたいとは思いませんが、富士宮口や御殿場口から登ってみたいとは思いますし、馬返しからの登山の面白そうです。なので、「二度登る馬鹿」とは思いません。

ただ、この富士山のどこが「世界文化遺産」なのか?と考えると、よくわかりません。僕が登った吉田口の登山道も世界遺産の構成資産に含まれているのですが、「古き信仰の登山道を今に伝える」などとはまったく思えませんでした。登山道は現代風に整備されていますし、山小屋も近代的です。登山者をぎゅうぎゅう詰めに押し込めるのが「文化遺産」なのかどうかは知りませんが、現在の山小屋が日本古来の文化を伝えているとは言い難いでしょう。

とどのつまり、どうしても富士山を世界遺産にしたい人がたくさんいて、「自然遺産」には登録できないので仕方なく「文化遺産」にしたのではないか?という感想になってしまいます。

世界遺産かどうかは別にして、富士山は登頂の達成感のある山です。なので、まだ登っていない人は、一度登ってみることをおすすめします。健康な足腰さえもっていれば、誰でも登れますし、登山の経験者なら楽勝でしょう。。高山病の問題はありますが、ゆっくり登れば大丈夫でしょう。

何よりも、日本列島にここより高い場所はない!と体感するのは、想像していた以上に気持ちのいいことでした。

 
これで、2012年富士山登山記は終わりです。よろしければ、拍手の一つでもしてくださいな。

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