富士山頂を噴火口に沿って一周することを「お鉢巡り」といいます。コースタイムは90分程度。どちらから回ってもいいのですが、時計回りが多いそうです。僕も時計回りで一周してみます。7時55分、吉田口頂上発。

少し歩いて振り返ると、吉田口頂上が一望できます。「富士山銀座」と書きましたが、遠目で見ればごく小さく、頼りなげな集落です。石積みの平屋建ては、ネパールの山奥のような印象です。

吉田口頂上から山頂の稜線に沿って歩いていきます。山頂には噴火したときに飛び出した溶岩石が至る所に残されています。


細い道をたどって歩くこと15分ほど。無線中継所の跡地です。いつの頃の建物でしょうか。現在は使われていません。

さらに歩くと、富士宮口頂上が見えてきます。

富士宮口頂上8時15分着。
こちらには、浅間大社奥宮があります。神社の規模は吉田口山頂より、こちらのほうが大きい様子。

すぐ横には、山頂郵便局が。

登山証明書も販売しています。
富士宮口頂上は、吉田口の「繁華街」のような賑やかさはありませんが、「官庁街」の雰囲気がありました。

裏手には綺麗な公衆便所があります。吉田口山頂よりも、こちらのほうが設備がしっかりしているようです。繁華街より官庁街のトイレのほうが綺麗なのは、下界と同じなのでしょうか。利用料はやはり300円です。

富士宮口頂上8時33分発。剣ヶ峰に向かいます。
この道のりを超えていきます。手前に、グロッキーになっている人もいます。

剣ヶ峰に登るには、馬の背という登り坂を越えなければなりません。これ、砂地で登りにくいです。

高度障害の症状が出ている人は、かなりつらそう。とはいえ、ここまで来て、剣ヶ峰に登らずに帰るわけにもいかないでしょうから、最後の踏ん張りでがんばっているようです。
僕は、高度障害は出てませんが、それでも慎重にゆっくりと登ります。
このあたり、眼下には太平洋が広がっているはずですが、ガスがかかっていてよく見えません。

登り切って、見上げると気象観測所の階段。

それを登ると、剣ヶ峰です。8時45分到着。

「日本最高峰富士山剣ヶ峰」の碑があります。

早朝のピークタイムは、ここで記念撮影するのに大行列だそうですが、僕が行ったときは並んでいても数人。なので、何度も納得のいくまで撮影ができました。
日本最高峰の碑の隣には、ひっそりと二等三角点が。富士山は一等三角点ではないのですね。あとで調べたら、日本最高所の一等三角点は、赤石岳にあるそうです。

ただ、現在は電子三角点が設置されています。これはもちろん、日本最高所にある電子三角点です。

剣ヶ峰には展望台もあるのですが、それは閉鎖中。

ただ、展望台の脇から遠く立山連山まで見ることができました。ここが日本一の高さの場所なのだ、ということが実感できる、大パノラマです。

これで、日本最高峰に登り切りました。
スポーツようかんを食べて、エネルギー補給。

「日本最高所でようかんを食べる」
と意味もなくつぶやいておきました。
おまけ。
気象観測所に張られていた注意書き。

日本語と英語で、書いてあることが違いすぎませんか?