六合目から七合目まで(2012年富士山登山記7)

六合目13時10分発。ここから先は本格的な登りになります。次のポイントの七合目花小屋までのコースタイムは60分。順調なら、14時過ぎには7合目に着いているはずです。



登山ツアーが何組か連続して登っていきます。ツアーは旅行会社が企画して個人客を集めているものです。ツアーによって特色があり、若い人が多いツアー、中高年が多いツアー、外国人が多いツアーもあります。ツアーに参加している外国人はアジア系が多く、西洋系の外国人は個人で登っている人が圧倒的多数です。


それにしても、登山者全体のだいたい2割くらいは外国人なのではないかと思います。多いとは聞いていましたが、考えていた以上に目立ちます。

日本人の登山者は、真新しいザックを担いでいる人が多いです。これだけ新品ザックの登山者がぞろぞろいるのも、富士山ならではでしょう。

つづら折りの坂道を、淡々と登っていきます。



ツアー客は、ペースも遅く、頻繁に休憩をとります。そういう登り方のほうが、高山病が発生しにくくなるからでしょう。自分も反省し、少し登るペースを落とします。

見上げると、七合目の山小屋群が見えてきました。



同時に、雷鳴が近くでなり始めます。夕立が近い様子。最初の山小屋「花小屋」まで急いで登ります。14時07分、七合目花小屋着。標高2700メートル。ほぼコースタイム通りに到着しました。

着くや否や、急に雨が降り出しました。山小屋の中に避難したいところですが、富士山の山小屋は雨宿りを認めていません。西洋人が中に入って交渉していますが、断られたようで出てきました。



僕はといえば、レインウエアを着た上で、山小屋の離れの狭い軒先に立ち、雨を避けます。足元は濡れますが、上半身は無事です。なにより雷の心配がありません。

雨はみるみるうちに強くなります。後から到着したツアー客たちは、雨宿りする場所もなく、その場でレインコートを着ます。そして黙々と出立。なんて規律正しい人たちなんでしょう。



その姿を眺めながら、個人登山でよかったとつくづく思います。ツアーはスケジュールがありますし大人数だから融通が利きませんが、1人登山なら、狭い軒先で雨が弱まるのを待つことができます。それにしても、天気のいい日を選んで来たはずなのに、なんでこんな目に遭うんだ、とちょっと恨めしく天を仰ぎます。

やがて雨は小降りになりました。レインウェアのフードをかぶり出発です。

花小屋14時23分発。次のポイントは七合目富士一館で、コースタイムは25分です。

雨で岩場が抜かるんできたからか、先行するツアーの歩みが遅く、すぐに追いついてしまいます。このあたりから登山道は細く急になり、前を歩くグループを簡単には抜けません。ツアーの後ろを追うように、ゆっくりと登っていきます。



14時31分、七合目日の出館着。



さらに、山肌の細いつづら折りの道を歩いていきます。14時38分、七合目トモエ館。



ここでは、ツアーが休憩中。若い女性ガイドが、大きな声を張り上げて説明しています。いわく、このツアーの宿泊予定は本八合目のトモエ館ですが、「すでに体調が悪い、疲れた、という人はこの七合目のトモエ館で泊まってもかまいません。ここなら別料金は不要です」とのこと。ここは標高2740メートル。ここに泊まってしまうと、明日の登頂は大変そう。すでに「疲れた」という人が、明日、ここを基点に山頂に着けるとは思えません。要するに、リタイアするのならここで、ということなのでしょう。

トモエ館横の案内板。富士山頂まで3.6km、283分とあります。ざっと5時間弱。もしこのまま登れば、19時すぎには山頂に着く計算ですが、本当かなあ…?



トモエ館から先は、鎖場の岩道。雨で濡れていて少しキケンです。



ゆっくり登っていって、14時45分、七合目救護所前。



さらに鎌岩館前を通過。ツアー客が休憩中なので、素通りです。



14時51分、富士一館到着。ここもコースタイム通りでした。富士一館はプレハブ風のこざっぱりとした山小屋です。標高2820メートル。



威勢のいいお兄さんたちが、客引きをしています。このあたりですと標高も低いですし、平日だと宿泊は空いているようです。

登ってきた道を見下ろします。つづら折りの山道を、後から後からたくさんの登山者が登ってきます。



雨が止んで、明るくなってきました。いったんレインウェアを脱ぎます。雨に降られたものの、そのぶん直射日光がなく涼しく、登るにはラクだったのかもしれません。

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