
シェーンブルン宮殿は混雑で有名ですが、僕は朝の開館直後に訪れたので、人はそれほど多くありませんでした。これが、少し後になると大混雑し、入場にも時間がかかるようになります。
シェーンブルン宮殿は、知名度の高い観光名所ですが、宮殿自体はそれほど豪華というわけでもなく、ヴェルサイユのようなラテン国家の宮殿に比べれば内装も地味です。あっと驚くようなすごい部屋はほとんどありません。有名な大広間くらいです。

(写真はパンフレットより転載)
ですから、ハプスブルグに関して興味を持っている人以外は、それほど感動はしないかもしれません。
個人的には、皇帝フランツ・ヨーゼフの執務室が印象に残った程度です。重厚な机と丈夫な椅子があり、質実剛健といった感じ。皇帝だからといってふんぞりかえっていたわけではなく、マジメに執務していたのだなあ、ということに気づかされます。フランツ・ヨーゼフは19世紀末から20世紀の皇帝ですが、時代もここまで下ると、皇帝といえども国家機関の最高指導者ということで、しっかり働かないといけなかったのでしょう。
この宮殿が宮殿として使われていたのは、1918年までです。この年、オーストリアは第一次世界大戦に敗れ、フランツ・ヨーゼフ後継のカール1世がシェーンブルン宮殿内で、事実上の退位を発表しました。その後、ハプスブルグ家はこの宮殿からも退き、宮殿は博物館として政府管理下で保存されてきました。
シェーンブルン宮殿は、建物もさることながら、庭園も有名です。

庭園の奥にある小高い丘に登ると、宮殿やその背景のウィーンの町を見渡せます。