アルル世界遺産めぐり。「ガリアの小ローマ」の遺跡群(2013年南仏プロヴァンスに住んだつもり旅6)

アヴィニョンが栄えた教皇庁時代の約1000年前。プロヴァンスは古代ローマの支配下で、ガリアと呼ばれるエリアに属していました。4世紀ごろの話です。当時のガリアの中核都市がアルルで、そのためアルルには今もローマ遺跡が多数残されています。いうなれば「ガリアの小ローマ」がアルルです。

アヴィニョンからアルルまでは、36km。レンタカーを使って30分ほどです。D570号線をひたすら南に進む単純なルートで、カーナビの「キヨシ」の音声に従って走っていけば、迷うことなくアルルにたどり着きます。ツーリストインフォメーションの近くにある駐車場にクルマを停めて、市内は徒歩で観光します。

アルルの目玉はローマ時代の「円形闘技場」。いわゆる「アルルのコロッセオ」です。フランス最大のローマ闘技場として有名です。

プロヴァンス22

とはいうものの、本家のローマのコロッセオが4層に対しこちらは2層です。またアルルの円形闘技場に地下は残されていません。要するに全体に構造は単純です。ですので、それほど興味深い場所ではありませんでした。最上部の監視塔からの展望は素晴らしいのですが、あいにくの曇天でした。

プロヴァンス23

ちなみに、この監視塔はローマ時代のものではなく、8世紀のイスラム帝国占領期にアラブ人が建てたものだそうです。フランスがイスラムの支配下にあったことはあまり知られていませんが、イスラム帝国最大域の北限が現在のプロヴァンスにあたります。このイスラム軍からアルルを奪回するために南下してきたフランク軍が、アルルの包囲中に水道橋を破壊しました。アルルは水源を失い、これをきっかけに徐々に衰退していったそうです。

ローマ遺跡には欠かせない「共同浴場」もあります。「コンスタンティヌス共同浴場」です。ドーム型の天井や床下の暖房装置の跡などが見られます。保存度は高いほうだと思いますが、ポンペイやバースの共同浴場に比べると見劣りします。

プロヴァンス24

このほか、アルルには「古代劇場」などのローマ遺跡もありますが、保存度が低いの残念。ということで、全体にぱっとしない遺跡が多いアルルですが、一つ興味深い場所を挙げるとすれば、「地下回廊」でしょうか。ローマ時代の地上にあった「公共広場」の土台として建設されたものです。アーチ状の柱が奥まで連なり探検気分。

プロヴァンス25

アルルの主要世界遺産としては、ほかに「サン・トロフィーム聖堂」もあります。11世紀頃の建築で、ロマネスク様式の傑作だそうです。回廊にある彫刻が見どころです。

以上で、アルルの世界遺産めぐりはおしまい。「小ローマ」と呼ばれるだけあって、ローマ遺跡のエッセンスがコンパクトに集中しています。が、圧倒的な規模や保存度の遺跡は存在せず、日本からわざわざ訪れるレベルではないかな、というのが正直な感想です。南仏ドライブの途中で半日立ち寄る程度でいいでしょう。

昼食はLA GRIGNOTTEというお店。

プロヴァンス26

プロヴァンス名物の牛シチューがなかなか美味しかったです。

適当に入った店でしたが、後でトリップアドバイザーを見ると、「手頃な値段でそこそこ美味しいが、給仕が遅い」というのが大方の意見のようでした。筆者の体験では給仕は遅くありませんでしたが、たまたま他の客が少ない時間だったからかもしれません。50人くらいは軽く入れる店でしたが、たしかに給仕は一人しかいませんでした。

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かまくら・じゅん
旅人。旅行総合研究所タビリス代表。日本と世界の世界遺産、鉄道、島などを取材中。→詳しいプロフィール

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