今回、「旅の目玉」と位置づけていたのがレ・ボー・ド・プロヴァンス。難攻不落といわれた「レ・ボーの城塞」のある都市跡です。アルルからは北東わずか16kmの距離にありますが、公共交通機関に乏しく、訪れるのが意外に難しい場所です。今回、レンタカーを利用した理由の一つが、レ・ボー・ド・プロヴァンスの訪問に必要だったからです。
アルルからはD17号線、D78号線、D27号線と進むルートで約30分。カーナビに従ってくねくねした道を走り、ごつごつした岩山が見えてきたらレ・ボー・ド・プロヴァンス。

オフシーズンだというのに駐車場は混雑していて停めるのに苦労しました。オフシーズンですら停めにくいので、オンシーズンに行く場合は、少し離れた路上の駐車スペースに停めた方が良いかもしれません。

駐車場の奥に村の入口があり、中世の面影を残す石畳の道を歩いていきます。ちょっとしたテーマパークのようです。レ・ボーは「フランスでもっとも美しい村」の一つとして知られています。

入場料を払い、城塞に入ると、抜けるような空間が広がります。

城塞のなかを歩いていきます。この城塞は主に中世に建設されました。レ・ボーは周辺の町や村を支配し、プロヴァンスでも最大規模の勢力だったそうです。

天然の岩を上手に加工して要塞にしています。
要塞のてっぺんにも登れます。

要塞の最上部からは、レ・ボーの町が見下ろせます。橙色の瓦の家並みが伝統を感じさせてくれます。

雰囲気としてはカッパドキアに通じるものがありました。
中世の面影、適度な保存度と崩壊度。なかなかレベルの高い遺跡です。少なくとも、アルルの古代ローマ遺跡よりはよほど興味深い場所です。
フランスには約40カ所の世界遺産がありますが、レ・ボーの城塞は世界遺産に登録されていません。世界遺産であるかどうかと、遺跡として面白いかどうかは別物であることを、改めて感じさせてくれる場所でもありました。