「サディズム」や「サド」の言葉の由来となったサド侯爵の居城があったのがラコスト。ルシヨンからゆっくり走って30分ほどです。
途中、ローマ時代の橋があるので見物。ルシアン橋といいます。古い橋ですが、意外なことに最近までこの上を自動車が走ることができたのだそうな。現在は、横に車道用の橋が架けられているので自動車は走行禁止です。

それにしても、2000年以上前に建設された橋がいまだに現役とは。いまさらながら、古代ローマの技術力には驚かされます。
さて、ラコスト。駐車場はガラガラで、クルマを停めるのに苦労はいりません。ゴルドやルシヨンと違って、観光客は数えるほどでした。東洋系の旅行者は日本人しか見かけませんでした。ラコストを訪れる日本人観光客は意外と多いようですが、『地球の歩き方』の記述が魅力的だからか、サド侯爵が日本で有名だからか。理由はどちらなのでしょう。

坂道を歩いて登っていきます。クリーム色の建物が特徴的ですが、地元の石材を利用しているそうです。中世の街並みがいまも残されているのは他のリュベロンの村と同じですが、観光客が少ないからか過疎感を感じます。空き家も目立ちました。

村のてっぺんまで上がると、サド侯爵の居城があります。残念ながら入ることができません。現在はピエール・カルダン氏が所有しています。

じつはこのラコストには、この城のほか、ピエール・カルダン氏の事務所、ピエール・カルダン氏のホテルがあるそうです。つまり、現在は「ピエール・カルダンの村」になっています。
城の前庭にある奇妙な彫像。これもカルダン氏が作らせたものなのでしょうか。

3つ訪れたリュベロンの村々のなかでは、もっとも静かで、もっとも印象に残ったのが、ここラコスト。

適度な過疎感が居心地の良さを醸し出している気がします。
これで、リュベロンの村めぐりは終わりです。