弘南鉄道大鰐線(北海道新幹線開業までに消えそうな列車と駅へ4)

弘南鉄道大鰐線は、青森県の中央弘前駅と大鰐駅を結ぶ13.9kmのローカル私鉄です。1952年に開業した戦後の私鉄ですが、経営は不振が続き、弘南鉄道の社長が2017年3月31日限りで廃止する方針を明らかにしています。

北海道新幹線列車駅8

大鰐線の利用者数は1974年度の約389万8000人がピーク。2012年度は約57万6000人に減少。これはピーク時の14.8%にすぎません。1日あたりならば1500人程度。バスで運べない数ではありません。

大鰐駅は、JRの大鰐温泉駅と隣接して設置されています。跨線橋はJRと共用ですが、東西に弘南鉄道の駅舎が独立して存在します。といっても、JRの改札のある東口は、弘南鉄道は無人です。JR大鰐温泉駅舎の隣に駅舎がありますが、粗末な建物です。

西口は有人で、改札口できっぷも販売しています。日中の運転間隔は60分ごと。次の中央弘前行きは15時30分発です。時間があるので、西口の駅舎回りも散策してみましたが、昭和40年代の設備がそのまま使われているのではないか、という風情。このレトロ感は魅力です。

北海道新幹線列車駅9

車両は旧東急電鉄で使われていたもの。1964年の東急車輌製で、1988年に弘南鉄道に譲渡されました。東急沿線に住んでいる者としてはおもしろみがありませんが、都市近郊の地方鉄道には適当な車両なのでしょう。

数人の乗客を乗せて発車。動き出すなり、左右に激しく揺れます。年代物の車両ということもありますが、線路状態もあまりよくないようです。

途中、高架で奥羽線をまたぎます。この高架は最近できたもののようです。

北海道新幹線列車駅10

津軽大沢で交換です。大鰐線の所要時間は28分。60分間隔なら、1編成で運用しているのかと思っていたので、やや意外でした。この運用だと、車両と運転士は1日の半分は休憩していることになります。

北海道新幹線列車駅11

津軽大沢を過ぎると、弘前の市街地に近づいてきて、家も増えてきます。が、乗客はほとんど増えません。ガラガラの車体を左右に大きく揺らしながら、十人あまりの乗客を載せて、終点中央弘前に着きました。

中央弘前駅は、昭和の趣全開の、レトロ感あふれる素敵な駅舎です。弘前のメインストリートである土手町のすぐ近くにあるのですが、まったくの別世界です。

北海道新幹線列車駅12

といっても、土手町自体が衰退気味で、それが大鰐線の利用者が減り続けている一つの要因でしょう。地方都市はどこもそうですが、郊外のショッピングモールが便利になり、町の中心部の人通りは減っています。弘前も例外ではありません。

中央弘前駅からJRの弘前駅までは歩いても15分くらいです。しかし、もう一度大鰐線に乗って、大鰐まで戻ってみることにしました。週末の夕方の電車なので、さっきよりは乗客が多いのではないか、と期待してのことです。

が、大鰐行きも、やはり十数人の乗客。60分間隔の夕方の列車がこの混み具合なら、運行継続は難しそう、と思わずにはいられませんでした。

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